【お金について見直すきっかけになる】ふがいない僕が年下の億万長者から教わった「勇気」と「お金」の法則
著者 小林昌裕
【内容】
都内のメーカーに勤める40歳の平凡なサラリーマン・務。パートの妻や発達障害の息子との関係はぎくしゃくして家庭に居場所はなく、地方に残した老親の介護費用が家計に重くのしかかる。会社からの評価、妻との老後、子どもの教育……といくつもの不安を抱えながら朝早く夜遅く満員電車に揺られる毎日を繰り返していた。
そんなある日、偶然が重なり、同じ父親でも若い億万長者の男・小谷と出会う。小谷との対話で務の考え方は変わり始め、勇気を振り絞ってある小さな一歩を踏み出したことで、「もう逆転なんてない」とあきらめていた人生は大きく動き始める――。
【感想】
★★★★★
お金の本なのに、本当に泣けました。小説を読んでいるかのようでした。
主人公務(40歳)は平均的なサラリーマンですが、父親の介護費用、息子の発達障害の為に妻は仕事をやめパートでお金はきつきつ。でもおそらくそれは普通の平均的な家族ならよくある悩みだと思います。それが、とあるきっかけでお金を投資することや、使い方に目を向けるようになり、その結果幸せになっていくという話。
「うまくいきすぎでしょ、投資ってそんなに順調なもんじゃない」とも思いますが、「お金について考える」ことや「お金を使うこと」は大事だなあと思いました。私は比較的現状に満足はしていますが、「毎年の日本への里帰り費用」や「旅行」「生活」「住宅ローン」をいろいろチェックしてみるとうちも結構余裕はない。
現在住んでいる国は欧州の先進国ですが総じて給料は低めだし、ニュースによるとかなりの人が「いつも銀行口座がマイナス」。貯金ないとか怖すぎる。
確かにこの世の9割はお金で解決できる問題であると思います。お金が増えて不幸になることはそうそうない。これからのお金の使い方などを見直そうと思うきっかけになる一冊でした。
【62歳、住所不定、無職の大型新人】藻屑蟹
著者 赤松利市
【内容】
二十七歳で人生を諦めた男。彼は原発事故の模様をテレビで見ていた。これから何かが変わる、そう信じて。しかし待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことよる苛立ちだった。
六年後、彼は金を得るために、高校時代の友人・純也の伝手で除染作業員となる。しかし、それは純也のある計画のために利用されているだけだった……。
選考会で満場一致にて受賞にいたった第一回大藪春彦新人賞受賞作!
【感想】
★★★★☆
短いんですよ、この話。
でもすごい衝撃でした。
原発事故がベースになっているこの作品、この原発事故によって金儲けするというなかなかベクトルの違う視点から語られ、そしてラストシーンではもの悲しさ、滑稽さ、そしてある種のスッキリ感があった。
面白かったです。
kindleで安く読めますので是非。
【因縁にとらわれた女】熊金家のひとり娘
著者 まさきとしか
【内容】
北の小さな島で、代々娘一人を産み継ぐ祈禱の家系に育った熊金一子は、神と畏れられる祖母と「血」から逃れるために島を出る。やがて大人になり、男の子の母親になることを願う一子が産んだのは――やはり女だった。明生と名付け息子のように育て愛そうとするが、ある日明生が失踪。一子は「バチが当たった」と怯え始める。母の愛に迫るミステリ。
【感想】
★★★☆☆
終始暗い雰囲気を漂わせている作品。
小さな島で「神」と呼ばれる祖母と二人暮らしの一子はいつも島を出たいと思っている。そしてなぜか初潮が来ることを恐れている。なので14歳になっても生理が始まらない。知らない人の前で足を開くのが嫌だという謎が、後々出てきた彼女の死までの友人の一言によって分かった。「あげまん」。詳しくは書かれていないが、祖母はそういうことをして因縁を払ったりしていたのかもしれない。
一子は因縁をとても気にしていて、それは祖母がよく口にする言葉だからだけれど、だからこそ、彼女は初潮が始まる前に「因縁のある」少年と交わる。そしてその後初潮が始まったことに安堵を覚える。
なんだか気持ちの悪い感じから始まる文章。
一子はその後娘を二人出産。でも娘二人も結局は一子のせいで、悩まされることになる。明生は妹が生まれるまで男の子として育てられた。それは一子の祖母が放った言葉「熊金家は代々一人だけ女子を産む。だからお前の名前は一子。」という呪詛のような言葉からきている。
妹のほうも幽霊が見えたりそのせいでペテン師のような仕事をすることになったり、なかなか幸せにはなれない。母親一子も突然失踪。
そして最後、母親の行動の謎などが解き明かされるのだけれど、私には彼女の気持ちが全く理解できなかった。けれど「毒母」というものはこういうものなのかもしれない。
【大ヒット作なのも納得の面白さ】ノラネコぐんだんシリーズ
著者 工藤ノリコ
【内容】
・ノラネコぐんだん パンこうじょう
80万部突破の人気シリーズはここから始まった!
一番わかりやすく楽しめるノラネコぐんだんの原点です。
おいしそうなパンが気になるノラネコぐんだん。
ワンワンちゃんのパンこうじょうにしのびこみ、
見よう見まねでパンづくりに挑戦!?
食いしん坊のノラネコぐんだんが巻き起こす
にぎやか大そうどう!
MOE絵本屋さん大賞2013、第4位受賞。
・ノラネコぐんだん アイスのくに
累計80万部突破の「ノラネコぐんだん」シリーズ最高傑作、感動巨編と絶賛された本作、17年11月刊行よりずっと売れ続けています。
【感想】
★★★★★
ノラネコぐんだんシリーズは初めて読みましたがとても面白かったです。
内容としては、ノラネコぐんだんが窓から面白そうだとパン工場やアイスクリームやさんを覗いている→こっそりしのびこんで実際にみようみまねで作ってみる→じけんはっせい→めでたく解決→「まだ しごとが のこってますよ」と壊したものを直させる。
というもの。
お決まりのパターンですがどの話も面白い。
そして背景の色遣いがとてもきれいです。子供たちが大喜びすること間違いなし!
是非シリーズでそろえたい絵本だと思います。
ノラネコぐんだん パンこうじょう (こどもMOEのえほん) (コドモエ[kodomoe]のえほん)
- 作者: 工藤ノリコ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2012/11/15
- メディア: ハードカバー
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ノラネコぐんだん おすしやさん (コドモエ[kodomoe]のえほん)
- 作者: 工藤ノリコ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/11/06
- メディア: ハードカバー
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ノラネコぐんだん きしゃぽっぽ (コドモエ[kodomoe]のえほん)
- 作者: 工藤ノリコ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: ハードカバー
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ノラネコぐんだん そらをとぶ (コドモエ[kodomoe]のえほん)
- 作者: 工藤ノリコ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2016/11/07
- メディア: 大型本
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【理容室のポテンシャル】キリの理容室
著者 上野歩
【内容】
神野キリ、20歳。夢は理容師になって、人気店を開くこと。
自分と父親を捨てて男と出ていった理容師の母親を見返すため、理容専門学校を卒業したキリ。千恵子が一人で切り盛りする理容店で修業することになるが、雑用ばかりの毎日。幼なじみの淳平は毎日のように実家に来るし、理容学校の同級生のアタルの存在も気になり始めて――。
衰退産業、オジサンが行く店だなんて言わせない。理容女子が床屋さん業界に革命を起こします!
【感想】
★★★★☆
読んでいてこちらもこざっぱりするような感じを覚えました。
今まで足を踏み入れたことのない場所、理容室。
小さいころからおしゃれに切ってもらうんだったら美容室、伯父さんが行くのは理容室、なんてイメージを持っていました。
主人公キリのカット技術問題、母親との確執、アタルとの恋、お店を経営する難しさ。盛りだくさんで読みごたえもありました。そしてカット問題が解決したときと、母親との別れの場面にはうるっと来ました。
女性も気軽に入れる理容室を作るのになかなか苦労をしますが、この本を読んで理容室の可能性を見た感じがします。ウェディングのためのシェービング、小顔シェービングなどは理容室ならではのアイディア。確かにエステに行くより値段も良心的だし、いいなって思いました。
主人公キリは人生において仕事に重きを置くという結論をだしましたが、これからも前を向いて頑張っていける未来を想像してやまないです。
【最後一行で落涙】ふたりみち
著者 山本幸久
【内容】
元昭和歌謡の歌手で、今は函館の小さなスナックのママ。67歳の野原ゆかりは、本州をめざし津軽海峡をフェリーで渡っていた。ある事情で抱えた借金返済のため、昔のつてを頼ってコンサートツアーと称したドサ回りの旅に出たのだ。船内で偶然知り合った同じ名前の森川縁は、12歳なのにゆかりの唄に興味を持ったとしてついて来てしまう。彼女が家出してきたことを知ったゆかりは、親に連絡させ仕方なく東京まで連れて行くことにするが、行く先々でトラブルが起き彼女のコンサートはことごとく中止に。そんなゆかりを支える縁。2人は55歳の歳の差を超えて、いつしか固いきずなで結ばれていった。ついに最後の会場、東京に着いたふたり。そこには、ゆかりの悲しい過去が刻まれていた。
「運命は変えられる、たとえ67歳でも!」
笑って笑って笑って、ラストの一行に心が鷲掴みされます! 号泣、必至
【感想】
★★★☆☆
号泣とまではいきませんでしたが、最後の一行でたしかにほろりときました。
完全に大竹しのぶさんで頭の中で映画化されてました。縁はだれかなー。ミラクル♡ローズも誰が適役かな。
67歳のゆかりと12歳の縁、心を通わせていくところにじーんときました。ドサ回りをするもなかなかコンサートができないゆかり。今人気のラッパー「ミラクル♡ローズ」とのラップ対決の時はこちらの心もすっとしました。
「運命は変えられる」いいなあ。
ゆかりの過去も、抱えているものがあり、切なかったです。
【これは名作!】彼方のアストラ(全五巻)
著者 篠原健太
【内容】
宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ"に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!!
【感想】
★★★★★
今月号のダヴィンチで紹介されていて気になった本。
5巻というちょうどよさ。SFは割と苦手な私にもワクワク感が止まらない。
友情、裏切り、恋愛、絶望、陰謀がふんだんにつまった作品。
キャラクターも魅力的で、とても引き込まれた。
是非5巻一気に購入で読んでほしい。