プロフェッショナルな読者 グッドレビュアー 500作品のレビュー 80% VIPメンバー NetGalley.JPベスト会員2021

ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【元裁判官で現在教授のおじさんがマンガを語る】教養としての現代漫画

f:id:piyopiyobooks:20190201045933p:plain

著者 瀬木比呂志 

【内容】

 
【感想】
★★★★☆
 
 
 
 
 
 
 

 

教養としての現代漫画

教養としての現代漫画

 

 

【女性南極料理人】南極ではたらく

f:id:piyopiyobooks:20190201045459p:plain

著者 渡貫淳子

【内容】

平凡な主婦の料理と生き方を変えた南極での1年4ヵ月の挑戦を綴った初の著書!!

結婚後は一旦職場を離れ、母として家事・育児に奮闘する日々を送ってきたが、 一念発起して南極観測隊の調理隊員にチャレンジ。

3度目の挑戦で見事合格を果たし、 母親としては初の調理隊員として第57次南極地域観測隊に参加した。 何歳からでもチャレンジできることを伝える、多くの女性たちを応援する一冊!!

南極生活で発見したエコロジカル&サスティナブルな料理と、 美味しく楽しくエネルギーを循環させる知恵とは!? テレビやSNSでも話題の「悪魔のおにぎり」誕生秘話と特別レシピを初収録。

 

【感想】

★★★★★

普通の主婦から昭和基地での南極料理人へ。

 

南極ならではのイベントの迎え方、女性目線ならではの南極越冬隊、料理人ならではの南極メシ。悪魔のおにぎりなど、いくつかレシピも掲載されていました。


南極ではちょっとした失敗も命にかかわることがある。医者と調理チーム以外はそれぞれ一人ずつで責任感も半端ない。

 

映画「南極料理人」もすごく楽しめましたが、こちらの本もとてもよかったです。


ミッドウィンターフェスティバル、どんな感じなんだろうと検索したら昭和基地NOWというブログが出てきました。綿貫さんも写真で見ることができました。

www.nipr.ac.jp

なかなか垣間見ることのない世界、とても楽しく読ませていただきました。

 

 

南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる

南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる

 

 

【短歌集】えーえんとくちから

f:id:piyopiyobooks:20190125080654p:plain

著者 笹井宏之

【内容】

再評価著しい早逝歌人の「伝説歌集」、待望の文庫化!

話題のコミック『ダルちゃん』(はるな檸檬著)にも登場で大注目

1982年佐賀県生まれ。彗星のように短歌界にあらわれ、2009年1月、惜しまれながら26年の生涯を閉じた夭折の歌人、笹井宏之。NHKで特集されるなど、その作品は短歌というジャンルを越えて、今もファンを増やし続けています。川上未映子氏が「こんなにも透明で、永遠かと思えるほどの停滞を軽々と飛び越えてしまうあざやかな言葉に生まれ変わって、それを体験したことがない他人をどうしてこんな気持ちにさせることができるのだろう」(雑誌『ダ・ヴィンチ』2010年7月号)と言及、また、短歌新人賞「笹井宏之賞」も新設されるなど、近年再評価の声がますます高まっています。風のように光のようにやさしく強く生涯を駆け抜けた歌人のベスト歌集が、没後10年に穂村弘氏の解説付きで待望の文庫化となります。

 

【感想】

★★★★☆

穂村弘さんが好きなので、彼の解説付きということで惹かれました。
短歌集はすごく好きです。


その中に気に入った歌があると覚えて、時々反芻しながら楽しみます。
この歌集の中ではひまわりの歌と、ゆで卵の拷問器具が好きでした。あと、無題の詩も。

 

あとがきを読んで、この方が「身体表現性障害」という病気に冒されていたこと、そして早世していることを知り、とても残念に思いました。
素敵な歌をよむひとだったのに。

 

えーえんとくちから (ちくま文庫)

えーえんとくちから (ちくま文庫)

 

 

 

【冬が来るたびに死にそうになる話】この冬、いなくなる君へ

f:id:piyopiyobooks:20190125075840p:plain

著者 いぬじゅん 

【内容】

「この冬、君は死ぬ」謎の男に告げられた24歳の菜摘の運命は…。

ラストのどんでん返しに驚愕! 涙が溢れる著者渾身の最新作。 文具会社で働く24歳の生久田菜摘は仕事もプライベートも充実せず、無気力になっていた。ある夜、ひとり会社で残業をしていると火事に巻き込まれ、意識を失ってしまう。 はっと気づくと篤生と名乗る謎の男が立っており、「この冬、君は死ぬ」と告げられて――。

ラスト、切ない涙が温かな涙に変わる!! 著者・いぬじゅんが贈る、この冬最高の感動作。

 

【感想】

★★★★★

 

仕事では失敗し上司から毎日のように叱られ、家族からは結婚をせかされ、生きているのがしんどい状態だった菜摘。

ある日残業で会社に残っていた時い火事が起こり、「やっと死ねる」と思ったのもつかの間、謎の青年「篤生」に助け出される。
しかも不思議なことに「これから6年の間に何回も死が襲い掛かってくる」と彼に宣告される。


信じられないながらもどうにかこうにか頑張って自分を見つめなおしていき、結果死を遠ざけていく菜摘。人生も上向きになっていき、恋人もできる。


篤生の正体については彼が名前をローマ字で言ったときにはっきりと気付いた。

幕間にある篤生の気持ちに切なくなった。

 

最後、篤生が持っていた菜摘の日記を読み、篤生がいなかったらこんなにひどい人生だったのかと思った。あまりにもひどすぎる人生・・・。


とても切ない話でした。

 

(P[い]6-1)この冬、いなくなる君へ

(P[い]6-1)この冬、いなくなる君へ

 

 

【とても美しく素敵な物語】とまり木

f:id:piyopiyobooks:20190125074844p:plain

著者 周防 柳

【内容】

いじめ、虐待、セクハラ。

報われない恋、傷つけられたプライド、

気が遠くなるほどの孤独、かなわない夢──

幼い頃に両親を亡くし、親戚に引き取られた青山伊津子。自分の居場所を必死で見つけて生きる伊津子だったが、行く先々で不幸な出来事に見舞われてします。同じく幸せに見放された少女・小林美羽。二人は自らの命を絶つことを思い立つ。交わってはいけないはずの二人の人生は、この世でもあの世でもない「ある場所」で交差する。

一度は諦めた「生きる」ということ。

不思議な場所との出会いを通じて、もう一度「生きる」ことにした二人の人生は……。

【感想】

★★★★☆

凝り固まった心がほぐれていくようなほどけていくようなお話でした。


IとMがいるのは、不思議な遊園地のある、穏やかな場所。
だいたいのものはコンビニでそろう、不思議な場所で生活している。
そして自分の素性などは何も覚えていないし、そこで会った出来事もやがて忘れていく。

 

読み進めていくうちに、I(青山伊津子)とM(小林美羽)のなかなかしんどい境遇を知る。
二人はそれぞれ絶望し、この、おだやかな遊園地のある場所にたどり着き、友人になり楽しく過ごしていく。

しかし、この二人の関係は、現実ではなかなか複雑で、まさかここで仲良くなるようなものではなかった。

でも、現実でのお互いへの思いなどを知っていくうちに、どうなるんだろうとドキドキしながらも、うまくいってほしいなあと思わずにはいられなかった。

 

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」もテーマになっていて、とても美しく素敵な物語でした。


コーヒーを片手にゆっくり落ち着いて読みたい一冊です。

 

 

とまり木

とまり木

 

 

【メガネ萌え?それとも年下男子萌え?】ランドルトの環 

f:id:piyopiyobooks:20190125073523p:plain

著者 八幡橙

【内容】

いくら身体を重ねても、完全に満たされることはない。

だから俺は、今日もまた会いに来てしまう――。


高校二年生の瞬の前に現れたのは、20歳以上の年の差がありながら、まるで魂を分けあったかのように心が通じる女性、那知だった。那知がかつて諦めた夢を叶えるため、気持ちをひとつにした二人はしだいに強く惹かれあう。だが、それは互いを失うかもしれない怖さを孕んだ日々の始まりでもあった――。

運命的な愛に揺れる少年の姿を、繊細な筆致で描いた著者会心のデビュー長編。

 

長年、フリーライターとして執筆活動をしてきた著者の、圧倒的な筆力が光る青春恋愛小説です。 タイトルの元になった「ランドルト環(かん)」は、視力検査で用いる「C」マークのこと。ラスト、タイトルに込められた想いが、胸にじんわりと沁み渡ります。

 

【感想】

★★★★★

デビュー作とは思えないくらい面白かったです。切なさとほろ苦さが絶妙。


高校生男子と38歳バツイチ子持ちの元漫画家女性。そしてメガネ×メガネ。
どっちかというとこの女性側にイライラしてしまいました。歳も近いからか。

 

高校生男子、38歳バツイチの化粧っ気もない女性に惹かれるんだろうか・・・・。なんて思いましたが、今日衝撃的なニュースを見たんですよね。

「22歳女性、小学生男子とみだらな行為」

news.livedoor.com

この女性はどうやらシングルマザーで幼稚園の子供が2人。そんな中スマホのゲームで知り合った小学生(福岡在住)をまさか自宅(香川県高松市)に呼び出して・・・って。

この女性も未熟で阿呆だなあと思うけどこのきちゃった小学生の男の子にもびっくりです。お母さん気付かなかったん?小6の子がこんな遠くまで・・・。

 

話を戻します。


高校生男子・瞬はほんとまっすぐで、まぶしいなと思いました。
彼の周りの人間関係もとてもよく描かれていると思いました。

彼の友人も、瞬のことを好きな女の子も、めっちゃ高校生っていう感じでキラキラして見えました。

 

瞬のお母さんもいいですね。まさかの読者モデル母。

アラフォー、アラフィフ女性誌の読者モデルママさんの生活ってこんな感じだったりするのかなと妄想。

 

個人的に、雨でずぶぬれになるシーンと、漫画が完成して結ばれるシーンとてもよかったです。頭の中で映像化されてました。

 

天使の卵」系が好きな人ならおすすめです。

 

 

【生きづらさを抱える人たちへ】発達障害グレーゾーン

f:id:piyopiyobooks:20190122051131p:plain

著者 姫野 桂

【内容】

徹底した当事者取材!発達障害“ブーム”の裏で生まれる「グレーゾーン」に迫る

近年、NHKが特集するなど話題になることが多い「大人の発達障害」。 「学生時代は大丈夫だったのに、社会に出たらミスばかりする」 「雑談が苦手で、周りから“空気が読めない人”と言われてしまう」 「衝動的にカッとなったり、一か所にジッとしていられない」 そういった悩みを抱えた人が今、「自分もそうかも?」と専門外来に殺到し、病院によっては数か月待ちという状況すら生まれています。 しかし、発達障害の“傾向”を指摘されながら、正式な“診断”には至らない「グレーゾーン」と呼ばれる人たちが相当数いるのをご存じでしょうか。彼らの多くは「クローズ就労(=会社には隠した状態)」で働き、「家族や友人にもなかなか理解してもらえない」という困難を抱えたまま暮らしています。そして、「自分もそうかも?」と思う人は、かなりの確率でこのグレーゾーンに当てはまる可能性があるのです。

「結局、どんな医者に診てもらったかで発達障害かどうかが決まっちゃう」(当事者談)

今では発達障害に関してさまざまなコンテンツが生まれていますが、グレーゾーン(成人)にフォーカスしたものは、ほぼありませんでした。そこで著者の姫野桂さんは「グレーゾーンを可視化する」という試みを始めます。当事者インタビューや当事者会への参加、精神科医、就労支援団体などへの取材を通じて、グレーゾーンとは何か?なぜこれほどまでに生きづらさを抱えるのか?を解き明かしていきます。 また、本書ではこれまで著者が見聞きした、発達障害の当事者やグレーゾーンの人が実践する「ライフハック」も収録しています。発達障害について知りたい人や、発達障害らしき症状に悩んでいる人にとって、少しでも生活向上のヒントになってくれたらうれしいです。

 

【感想】

★★★★☆

昨今話題になっている、発達障害
芸能人などの著名人なども「発達障害」であることを公言しだした人もしばしば。

 

しかし、発達障害はグラデーションであるために、発達障害認定してもらえない人もいる。
そんなグレーゾーンの人について書かれた本。

 

ずっと、自分の能力について疑問に持っていた人もいたでしょう。それに対し、診断がついたことで気持ちが楽になるならそれはその人にとっていいことだと思う。でも、診断がついてもつかなかったとしても、一緒に暮らす人や同僚などにとっては「それで?」となってしまうのが正直なところではないかと思う。

 

この本にはそういった人たちのライフハックや、会社や友人、家族などにどう対処してほしいのかいうことが大事ということが書かれていてグレーゾーンでも、発達障害でも、シロでも「生きづらさ」を感じるどんな立場の人が読んでも役に立つ本だと思う。

 

 

身の回りにもposs発達障害と思われる人がたくさんいる。学歴の高低に関係なく、時々「え?」と思う人が結構多い。「常識、礼儀」が分かっていなかったり、平気で1時間ほど遅刻してきて「私よく遅刻しちゃう人なの」と全く謝りもしないで悪びれもせず言う人がいる。発達障害っていうのは素人が勝手に判断できるようなものではないし、他人が判断したからと言ってその人に言えるようなものでもないし、結局その人が「よく遅刻してしまう」とか「部屋がぐちゃぐちゃ」とかを認識しないことには始まらない。

「他人が私の邪魔ばかりする」なんていって人のせいにする人もかなりいる。そして毎回ぶつかって友達もなく、仕事も続かない人もいる。「でもそれは私のせいじゃなくて他人が悪い。私を陥れようとしてくる」なんていう人もたくさんいる。そういう人を知っている。

 

もうそういう人たちについては私たちは何も言えず、とりあえず少し距離を取って付き合っていくしかない。私たちがその人のせいで迷惑を被らないように、避けるしかない。と思っているのですが、本当はどうしたらいいんだろう。

身内でそういう困ることはないのですが、身内だったら結構大変。

友人でも義理の家族でそういう人がいて困っている人がいる。

 

そういった人たちの対処法なども教えてほしいなと思った。

 

 

発達障害グレーゾーン (扶桑社新書)

発達障害グレーゾーン (扶桑社新書)