【こんなレストランちょっと行ってみたい】魔法を召し上がれ
著者 瀬名英明
【内容】
マジシャンはノーと言ってはいけない。
相手が恋人を殺した男でも。
圧巻の超大作!
湾岸町のレストランで働くマジシャン・ヒカル。テーブルを巡り、料理を楽しむ客にマジックを披露している。高校時代、突然この世から消えた同級生の少女・美波を彼は忘れられない。
ある日現れた、彼女の死にかかわりをもつ男。美波はなぜ死んだのか。時を同じくしてヒカルは、伝説的な老マジシャンからロボットを託される。
一人と一体、そして彼らを取り巻く人々の再生の物語。
【感想】
★★★☆☆
途中から急に未来感が出てきて、その展開に最初は戸惑いました。
東日本大震災の「被災地」とはるのでまだ現実からはそんなに進んではいないのか、 しかしロボットが当たり前であったり、スカイウォーカーという乗り物が出てきたり、 一体いつ頃の設定なんだろうと、パラレルワールド的な感じなのかなとついていくことが難しかったです。
ここに出てくるレストランは二つありますが、どちらもマジックを提供していて面白そうだなと思いました。特に「ル マニフィック」というレストランは「美女と野獣」の世界で世界観も特殊でロボットが給仕をしたり、是非行ってみたいなあと思いました。 立花さんの考えたデザート、是非食べてみたいです。
500ページを超える超大作ですごく長いのですが、お話の方はちょっと盛り上がりに欠けるかなと思いました。
【バナナはおやつにはいりますか?】みらいのえんそく
著者 ジョン・ヘア
【内容】
今日は宇宙遠足の日です。
子どもたちは、宇宙ステーションから月への小旅行を楽しみにしていました。 無事、月面に着陸した子どもたちは、月の割れ目を飛び越え、 はるかかなたの地球が眺められるクレーターに到着しました。
ところが一人の生徒が、地球の絵を描いているうちにうっかり眠ってしまいます。 目がさめると、なんとクラスメートと宇宙船がいなくなっていました。
ひとり月面に取り残された生徒は、しかたなくそのまま絵を描き続けます。 すると、周りから、不思議な生物が次々と現れてきて……。
近未来の遠足は、きっと月まで行くのでしょう。 生徒が月面に取り残された場面では、ヒヤッとしますが、 月に住む生物と、友情を育むことができ、話はユーモアたっぷりの楽しい展開になります。
【感想】
★★★★★
面白かったです!
月に遠足に来てふとうたたねしてる間に置いて行かれてしまった男の子。
「ま、いっか」「えでもかこう」
いやいやいや!!!!
大人目線だとめっちゃ怖い話ですが、その後の展開がほのぼのとしてよかったです。
最後迎えに来た人が「ごめん、ごめん」いやいやいや!!!
大人目線だと笑えませんが、なんかちょっとほんわかした気持ちになれました。
子どもっていいなあ。
【文は短いが想像力を掻き立てる】あっちがわ
著者 イシズマサシ
【内容】
この世のものとは思えない 15のこわい話
決して一人では読ませないでください
この世のものとは思えない、怖くて奇妙な出来事。ここは本当にぼくの町なの? それとも……。
一話一見開きで展開するたたみかける恐怖。きみはつぎのページをめくれるか。
じわじわおしよせる15の恐怖
かげ/よげん/たぬきんくん/かとりせんこう/みどりのしょうぼうしゃ/フランスにんぎょう/となりのゆうれい/おえかき/あそんで/あな/あたまのはこ/ソフトボール/きょうけん/みんとくん/リフト
【感想】
★★★★★
これは見開き一ページで一つのお話になっているちょっと変わったタイプの絵本です。
見開き一ページで終わるので、当然文も短い。ほんと5行とか。
なのに、こっちの想像力を掻き立ててしっかり怖い。
私は「みどりのしょうぼうしゃ」や「あたまのはこ」が怖かったです。
とても面白い絵本でした。
【何よりも絵が怖い】まどのそと
著者 佐野史郎
【内容】
怪談えほん〈第3期〉、ついに刊行スタート!
怖いけど見たい、見たいけど怖い
佐野史郎とハダタカヒトが描くたえがたい恐怖。
かたかたかた…かたかたかた…ずっとなりやまない音。ねむりたいけどねむれない。
何度もよんだけど、ママもパパも来やしない。現実なのか夢なのか、なりやまない音。
佐野史郎とハダタカヒトが描くたえがたい恐怖。
【感想】
★★★★★
著者を見てびっくり、え、あの佐野史郎さん?
佐野史郎さん、絵本も書かれるんですね。
今そのことに気付いたくらいなのでなんの先入観もなしに読みましたが語感もとてもよく、これは俳優さんだからなのかもしれませんが、なのに怖い。
そして絵がものすごく怖い。
子どもって怖いお話大好きですが、これ大人も怖いです。
最後怖すぎて子供は一人で眠れなくなるかも!
【監視しているのは誰だ!】目撃
著者 西村健
【内容】
誰かが私を監視している――!?
静かな住宅街で殺人事件が起きた瞬間、検針員として敷地内に足を踏み入れた奈津実は何を見たのか?
離婚調停中の戸田奈津実は、電気メーターの検針員の仕事をしながら幼稚園に通う幼い娘を一人で育てている。担当している静かな住宅街でストーカー立てこもりに続いて殺人事件が起きてから、彼女は背後に誰かの視線を感じるように。
奈津実から相談を受けた一匹オオカミ刑事の穂積亮右は密かに罠を仕掛ける……。
【感想】
★★★★★
検針員さんの仕事について、なかなか光の当たる仕事ではないのでへえーこんなことがあるのかとか、なかなか面白かったです。
殺人事件の犯人や犯人の動機などに関しては割と初めの部分で明らかになってしまうし、その後の犯人が奈津実を監視している様子など、二つの視点から見た話はなかなか面白くも、この後どうなっていくのだろうというところから事件がいい感じに動き出し、そこからの展開はページをめくる手が止まらずあっという間に読んでしまいました。
とにかく、一筋縄ではいかない感じが面白かったです。
【今更ですがやっと読んだ】夫のちんぽが入らない
著者 こだま
【内容】
ドラマ化決定。話題沸騰!
“夫のちんぽが入らない"衝撃の実話――彼女の生きてきたその道が物語になる。
2014年5月に開催された「文学フリマ」では、同人誌『なし水』を求める人々が異例の大行列を成し、同書は即完売。その中に収録され、大反響を呼んだのが主婦こだまの自 伝『夫のちんぽが入らない』だ。
同じ大学に通う自由奔放な青年と交際を始めた18歳の「私」(こだま)。初めて体を重ねようとしたある夜、事件は起きた。彼の性器が全く入らなかったのだ。その後も二人 は「入らない」一方で精神的な結びつきを強くしていき、結婚。しかし「いつか入る」という願いは叶わぬまま、「私」はさらなる悲劇の渦に飲み込まれていく……。
交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落"の半生。“衝撃の実話"が大幅加筆修正のうえ、 完全版としてついに書籍化!
いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間 に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。
何も知らない母は「結婚して何年も経つのに子供ができないのはおかしい。一度病院で診てもらいなさい。そういう夫婦は珍しくないし、恥ずかしいことじゃないんだから 」と言う。けれど、私は「ちんぽが入らないのです」と嘆く夫婦をいまだかつて見たことがない。医師は私に言うのだろうか。「ちんぽが入らない? 奥さん、よくあること ですよ」と。そんなことを相談するくらいなら、押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひ っそりと生きていくことを選んだ。(本文より抜粋)
【感想】
★★★★☆
Netflixでもドラマが見れるのだけれど、全部見た友人が全く気持ちがわからなくて鬱々として面白くなかったという判断を下したので、私は機会があったので書籍で読むことにした。
夫のちんぽが入らない。衝撃的なタイトルだけれど、読んでみて私は号泣した。
わりと淡々と描かれているけれど、なかなか重い。
夫のちんぽだけ入らない。夫以外のは入る。夫の風俗問題。
自分の勤務先での悩み・・・。
自暴自棄になり夫以外の人と次々と・・・のくだりに関しては私は共感は持てなかったのだけれど、実際この人の立場だったらそうやってなってしまうのかもしれない。
ところどころで叫ぶ本音、辛さにめっちゃ共感して泣けた。
境遇や立場は違うが誰しも抱えている悩みがある。
私にだってある。
そしてどうにもならないことはほんとうにどうにもすることができない。
他人に「子供は産んだ方がいい」などと簡単に言われても、実際にその人の立場に立ったら本当にそんなことが言えるのだろうか。
「子供は産んだ方がいい」「きちんと働いたほうがいい」「結婚したほうがいい」
様々な事情があったりいろいろな理由でみんなが当たり前にできていることができない人もいる。
外見からわかりづらいが様々な疾患を抱えた人がいる。
最後のこだまさんの
子を産み、育てることはきっと素晴らしいことなのでしょう。経験した人たちが口を揃えてそう言うのだから、たぶんそうに違いません。でも、私は目の前の人がさんざん考え、悩み抜いた末に出した決断を、そう生きようとした決意を、それは違うよなんて軽々しく言いたくはないのです。人に見せていない部分の、育ちや背景全部ひっくるめて、その人の現在があるのだから。それがわかっただけでも、私は生きてきた意味があったと思うのです。
この意見は私も全く同じ意見です。
読んでよかったと思いました。
【死神×執事=イケメン】死神執事のカーテンコール
著者 栗原ちひろ
【内容】
役者くずれの猪目空我は、かつてスタイリッシュな探偵役で人気を博した美形男子。とくに探偵としての能力があるわけではないが、とある事情で俳優業を廃業した今、ほかにやれることもないので、見た目重視の雰囲気探偵事務所を開業することにした。そこで格安賃料で借りたのは、とある古い屋敷の一角。ちなみにこの屋敷の住人は謎めいた年若いお嬢様と、彼女のお世話をする美しい執事のみ。ここに怪しさ爆発の大家と店子が誕生した。
一方、お屋敷のお嬢様に仕える執事にも秘密があった。それは彼の正体が死神だということ。その特殊能力としては、まずはひとの寿命が見え、さらに幽霊の姿を見ることもでき、たとえば死にゆく人に願われた場合、三回だけ「カーテンコール」と呼ばれる延命に応じることができる。彼は仕事だけが生きがいの自称エリート死神なのだが、過去の仕事での唯一の汚点を払拭するため、執事姿で人間界に留まっているらしい。
三者三様、それぞれの利害が一致して、なし崩し的に空我と死神は心霊がらみの依頼を解決することになるのだが……。
エリート死神執事×スタイルのみのハリボテ探偵が贈る、人生最後の謎ときやりなおしファンタジー!
【感想】
★★★★☆
主な登場人物は死神執事、謎のおじさま、そしてイケメン筋肉馬鹿探偵、そしてお嬢さま。
この筋肉探偵、NHKの筋肉体操と是非コラボしていただきたい感じの方で、出てくる人たちのキャラがなかなか良かったです。
結局謎のおじさまの正体は?でしたが。
探偵ものとはいえこの筋肉探偵はそんな謎解きをするようなタイプでもなく、はっきり言って本当に筋肉馬鹿です。
どういう方に持ってくるのかなと読んでましたが、最終的に切ない恋の話でした。
面白かったです。
しかし「カーテンコール」の設定があまり生かされてなかったかなあと思います。
あと、内容紹介詳しすぎ・・・。もっと隠してもいいかな。お嬢さまの正体とか・・・。