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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【表紙の矢を射る姿に惹かれてしまう】黄金の烏

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著者 阿部智里

【内容】

史上最年少で松本清張賞を受賞した著者による、異世界ファンタジー第三弾。
八咫烏が支配する世界「山内」を舞台に、世継の花嫁の座を巡る姫君たちの駆け引きと、その家族の権力闘争を描いた『烏に単は似合わない』は、選考会でも大きな話題となり、史上最年少で松本清張賞を受賞。翌年、受賞作と対になる『烏は主を選ばない』を発表。その後、八咫烏シリーズとして『黄金の烏』『空棺の烏』と、緻密な世界設定を展開し、そこに生きる者たちの微妙で繊細な心理を描き続け、人気を博す。
八咫烏シリーズは現在、文庫版累計66万部。
一作ごとに大きな成長を遂げる筆者の繰り広げる壮大な物語の行方から目が離せないシリーズです。

 

【感想】

★★★★★

巻を追うごとに目が離せなくなるシリーズ。まだ3巻までしか持ってませんが、絶対シリーズ最後まで買い続ける予定です。面白い!

 

今回も若宮と雪哉の物語。

最初の若宮の登場シーンはとてもよかったです。若宮様らしい。

この巻はなんか人食いゴリラが出てきてグロいシーンも出てきたり、人間の存在も明らかになったりしてこれからどうなっていくのかがとても楽しみでたまりません!

早く次の巻が読みたい!

 

 

黄金の烏 八咫烏シリーズ 3 (文春文庫)

黄金の烏 八咫烏シリーズ 3 (文春文庫)

 

 

 1、2巻はこれを二つ読んで完成版といったところでした。すごく良かったです!

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

 
烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ (文春文庫)

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ (文春文庫)

 

 

 

【こんなスピーチ泣くわ】本日は、お日柄もよく

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著者 原田マハ

【内容】

OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。

【感想】

★★★☆☆

前半まではすごく好きだったんですが後半から失速。

 

結婚式のスピーチは感激した。言葉の力に魅了された。あんな素敵なスピーチ、私もできたらなと思った。

が、展開がトントン拍子過ぎてちょっとついていけなかったのと、仕事で抜擢されたスピーチ放り出して退職し、厚志のお手伝いというのは責任感という面でどうかなと思ってしまった。

 

 

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

 

 

 

【脳も気持ちもスッキリした】佐藤可士和の超整理術

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著者 佐藤可士和

【内容】

整理術を磨いていくと、仕事を取り巻く環境がみるみる快適になっていくのが実感できるはずです。それに伴い、仕事の精度も劇的にアップしていることでしょう。この本で僕が述べる整理術とは、整理のための整理ではなく、快適に生きるための本質的な方法論。ですから、デスク周りなどの空間から仕事上の問題、人間関係に至るまで、あらゆる場面に応用できるのです。

 

【感想】

★★★★★

よくある断捨離やミニマリストの本よりも断然よかったです。

文章もきちんと整理されいていてわかりやすく、読みやすく頭に入ってくる。

 

よく知っている広告やパッケージなども「これは佐藤可士和さんが手がけたんだ!」などと思いました。ケータイとかこれ持ってました。知りませんでした。

 

彼のようにカバンも持たずにまではスッキリできませんが、私も家の断捨離中なので、スッキリしていきたいなと思いました。素晴らしい本!

 

 

佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)

佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)

 

 

 

【思春期の生々しさがとても濃厚な一冊】しろいろの街の、その骨の体温の

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著者 村田沙耶香

【内容】

2013年に三島賞を受賞。
14年に第一回フラウ文芸大賞受賞作の文庫化。

クラスでは目立たない存在である小4の結佳。
女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、
習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、
次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、
ある日、結佳は伊吹にキスをする。
恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら
彼らは中学生へと進級するが――
野間文芸新人賞受賞、
少女の「性」や「欲望」を描くことで評価の高い作家が描く、
女の子が少女に変化する時間を切り取り丹念に描いた、
静かな衝撃作。

 

【感想】

★★★★★

思春期の性の生々しさ、醜さ、純粋さが静かに、とても濃厚に描かれている作品。

結佳の性衝動はそのころの私は考えもしなかったりしたけれど、教室での居心地の悪さ、スクールカーストは女子あるあるがとてもリアルで、読んでいるこちらも居心地が悪かった。

 

私たちは、エピソードをくれた男の子に簡単に恋に落ちてしまう。

 

この表現がとても秀逸だし、とても好きだなと思った。

 

伊吹がとてもいい。純粋で、単純で、まっすぐ。結佳がなかなか卑屈な感じだったのでこの伊吹の美しさがとても好きになったし、結佳のこのどうにもならない気持ちがとても際立った。

あと、信子もよかった。信子のナルシストさ、外見の醜さのくだりは「女子あるある」かつ表現が割と直接的でちょっとした嫌悪感も抱いたが、最後に信子が自分のことをからかう井上に反撃するシーン、それを見て結佳が「信子を美しいと思った」のくだり、そしてそのことを伝えたときの信子の反応、結佳の変化。もうほんとに素晴らしい。

 

あとがきにあるように、著者の村田沙耶香さんご本人からは想像もつかないような濃厚さが彼女の本にはあって、癖になってしまう。

 

とにかくこの本は私はすごく好きだったし、素晴らしいと思った。

 

 

【こんなレストランちょっと行ってみたい】魔法を召し上がれ

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著者 瀬名英明

【内容】

マジシャンはノーと言ってはいけない
 相手が恋人を殺した男でも。
 圧巻の超大作!


湾岸町のレストランで働くマジシャン・ヒカル。テーブルを巡り、料理を楽しむ客にマジックを披露している。高校時代、突然この世から消えた同級生の少女・美波を彼は忘れられない。
ある日現れた、彼女の死にかかわりをもつ男。美波はなぜ死んだのか。時を同じくしてヒカルは、伝説的な老マジシャンからロボットを託される。
一人と一体、そして彼らを取り巻く人々の再生の物語。

 

【感想】

★★★☆☆

途中から急に未来感が出てきて、その展開に最初は戸惑いました。

東日本大震災の「被災地」とはるのでまだ現実からはそんなに進んではいないのか、 しかしロボットが当たり前であったり、スカイウォーカーという乗り物が出てきたり、 一体いつ頃の設定なんだろうと、パラレルワールド的な感じなのかなとついていくことが難しかったです。

 

ここに出てくるレストランは二つありますが、どちらもマジックを提供していて面白そうだなと思いました。特に「ル マニフィック」というレストランは「美女と野獣」の世界で世界観も特殊でロボットが給仕をしたり、是非行ってみたいなあと思いました。 立花さんの考えたデザート、是非食べてみたいです。

 

500ページを超える超大作ですごく長いのですが、お話の方はちょっと盛り上がりに欠けるかなと思いました。

 

 

魔法を召し上がれ

魔法を召し上がれ

 

 

 

 

【バナナはおやつにはいりますか?】みらいのえんそく

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著者 ジョン・ヘア

【内容】

【文は短いが想像力を掻き立てる】あっちがわ

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著者 イシズマサシ 

【内容】

この世のものとは思えない 15のこわい話

決して一人では読ませないでください

 

この世のものとは思えない、怖くて奇妙な出来事。ここは本当にぼくの町なの? それとも……。

一話一見開きで展開するたたみかける恐怖。きみはつぎのページをめくれるか。

 

じわじわおしよせる15の恐怖

かげ/よげん/たぬきんくん/かとりせんこう/みどりのしょうぼうしゃ/フランスにんぎょう/となりのゆうれい/おえかき/あそんで/あな/あたまのはこ/ソフトボール/きょうけん/みんとくん/リフト

 

【感想】

★★★★★

これは見開き一ページで一つのお話になっているちょっと変わったタイプの絵本です。

見開き一ページで終わるので、当然文も短い。ほんと5行とか。

なのに、こっちの想像力を掻き立ててしっかり怖い。

 

私は「みどりのしょうぼうしゃ」や「あたまのはこ」が怖かったです。

とても面白い絵本でした。

 

あっちがわ

あっちがわ