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【むしろ大人こそ読んで】青い天使(全9巻)

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著者 倉橋燿子

【内容】

ファッションデザイナーのママとふたり暮らしのチナは、パパがフランス人のハーフ。ママが仕事から帰ってくるまでのあいだ、チナは同級生の京子のうちでお世話になっている。明るくておてんばのチナと、やさしくておっとりしている京子はまるっきり性格がちがうけど、夕食もお風呂もいっしょのふたりは、まるで姉妹のようになかがいい。チナはいまの生活が気にいっていた。けれどもママのつとめている会社が倒産してしまって…。波乱万丈のチナの姿を描く、感動の新シリーズ第1巻。小学上級から

 

【感想】

★★★★★

これは、子供だけでなく、ぜひ大人にも読んでもらいたいシリーズです。主人公チナは、父親がフランス人で、しかし父親を知らない女の子。ある時からチナはママがパリに行くというのでおじいちゃんの住んでいる島に預けられるんですが、やっぱり島なので父親がだれかわからないような、しかもハーフの娘は近所からの噂の的というかやっぱり悪口が多い。一緒に住んでいるいとこたちからも嫌がらせをされるも、まっすぐ頑張るひたむきな主人公。たくさんの登場人物が出てきますが、みんな悪い人ではないんです。差別したり悪口を言ったりするのって、たぶん皆さんも経験があると思います。

 

それを「私は愛されるより愛したい」などと某ジャニーズの歌のような信条をもちながら頑張って生き抜くチナ。何度もくじけそうになったりしてこっちも思わず涙涙。どんなに辛い目にあっても、受け入れて切り開いていく力を持った主人公は、こちらも励まされます。

 

5巻以降はパリでの暮らしになっていきます。パリではいろいろな移民がいます。その中でもビリッチは、クロアチア紛争の孤児で養子として迎えられた子供。この子がまたほんとにいい子で、悲しい運命にも負けず懸命に生きています。チナはそういう子たちとも出会い、さらにいろんなことを考えるようになります。

そして9巻では衝撃の展開に。最後の最後にこう来るか!!って展開です。

 

児童書なので漢字にはひらがながふってあり、子供もすらすらと読めます。

ぜひこの本を親子で一緒に読んでもらいたいです。そして自分を振り返って、いろいろ考えてほしいです。

これは本当に、翻訳されていろんな言葉でも読めるようになったらいいのに、なんて思います。

本当に素晴らしい本でした。

 

 

 

 

青い天使(1) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(1) (講談社青い鳥文庫)

 

 

 

青い天使(2) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(2) (講談社青い鳥文庫)

 

 

 

青い天使(3) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(3) (講談社青い鳥文庫)

 

 

 

青い天使(4) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(4) (講談社青い鳥文庫)

 

 

 

青い天使(5) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(5) (講談社青い鳥文庫)

 

 

 

青い天使(6) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(6) (講談社青い鳥文庫)

 

 

 

青い天使(7) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(7) (講談社青い鳥文庫)

 

 

 

青い天使(8) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(8) (講談社青い鳥文庫)

 

 

 

青い天使(9) (講談社青い鳥文庫)

青い天使(9) (講談社青い鳥文庫)