【感動が止まらない】熟れた月
著者 宇佐美まこと
※ゲラ読了。発売は2018年2月20日だそうです。
【内容】
憧れの阿久津先輩のお母さんに託された、「ウーピーパーピ―の木の下に埋めた」という不思議な伝言を伝えるために、女子高生の結は桜並木の土手を一気に走る。早く、早く先輩にこのおまじないを伝えなくてはと使命感に急いだが、彼女は阿久津佑太には会えなかった。代わりに現れた柏木リョウという少年が、その言葉が彼にとって大切なことなら、いつかきっと誰かが彼に伝えてくれるはずだと言う。「世界はつながっているんだ。時とか空間とか。それから人と人も」。癌で余命半年と医者から宣告されたヤミ金業者のマキ子も、その「田所リース」で働く、落ちぶれた取り立て屋の乾も、生まれてから車椅子の生活しか知らない身体不自由な博も、彼らの世界は、どこかでつながっているとーー。
【感想】
★★★★★
新年早々とても面白い本に出会いました。
「ウーピーパーピーの木の下に埋めた」このキーワードが最後に思いっきり生きてきた。
- 導入で殺人を犯してしまった母親、陸上部で活躍する息子、その息子にあこがれている女子高生、そして女子高生のメル友、女子高生が死んでしまったときに出てきた謎の男の子がでてくる。
- 女子高生は、あこがれの先輩の母親がバイト先で男の人と会っていて、様子が変なことを気にしている様子。
- その母親は男を殺害してしまい、その女子高生に、「息子にウーピーパーピーの木の下に埋めたと伝えて」と言い、逮捕される。
- その後女の子は自分のメル友KENに、先輩の母親が「ウーピーパーピーの木の下に埋めた」という謎の言葉を残したと報告。先輩に伝えようとする。
- 先輩に伝えようとするも、途中で事故に会い、死亡。その時その「想い」を汲み取れる不思議な少年が「その言葉は、いいタイミングで彼に伝えられる」と彼女に言う。
その後金貸しの女とそこで働く乾という男が出てきて、謎の言葉は特に明かされず、先ほどの登場人物も言及されないまま、なんだろうと読みすすめていたら最後に全部つながって「はっ」と思わず声が漏れてしまった。
「そういうことだったのか。」
最後は本当に怒涛の展開で、感動が溢れて止まらなかった。すごく良いものを読んだと思わせてくれる一冊でした。
すごくすごく面白かった。おすすめの一冊です。
この著者さんは読んだことがなかったので、ほかの作品もぜひ読みたいと思いました。