【登場人物がなかなか曲者】風が吹いたり、花が散ったり
著者 朝倉宏景
【内容】
汗も涙も笑いも本物だ
本年度青春小説の大本命!
視覚障害を持つさちの伴走者となり、盲人マラソンに挑むことになった亮磨。
クソみたいな夢も、ブラックバイトの日々も、二人で走ればどうでもよくなってくる――。
でも、僕は彼女に嘘をついている。本当は隣を走る資格なんてないんだ。
『白球アフロ』でファンを増やす小説現代長編新人賞出身の新鋭が放つ、ド直球の勝負作!
【感想】
★★★★☆
登場人物がなかなか曲者
主人公 亮磨
高校時代にひょんなことからオレオレ詐欺の受け子にされ警察に捕まり、保護観察処分。現在は宗教染みた居酒屋でアルバイト。これまたひょんなことから視覚障害者さちの伴走者として盲人マラソンに挑戦することになる。
愛
亮磨と同じ居酒屋でバイトをしている。亮磨のことが好き。アスペルガー症候群。亮磨がさちの伴走をすることに反対する。
社長
テンガロンハットをかぶる怪しげな居酒屋の社長。愛の理解者。
さち
事故で聴覚障害になり、鬱々となるも、廉二のすすめでマラソンに挑戦することになる。
廉二
さちの伴走者。もともとランナーだったが、怪我で競技生活を断念し、さちの伴走をしている。さちのことが好きで告白をしたが返事待ち。
主な登場人物はこんな感じかな。とりあえず、今回の登場人物に関しては私の場合感情移入できるような感じではなかった。ずっと第三者目線で読む感じ。
バイト先も、怪しげで「夢を応援する居酒屋」とかいってミーティングで夢を発表させたり、確かに宗教染みていて、「え、なんなんこれ」っていう感じでしたが、社長が思ったよりも愛のことを理解していて、最終的に社長の株が上がった。
愛に関しては、当初から「この子絶対発達障害・・・・」という感じでした。軽度であまりわからないタイプなので愛自身も周りの理解が得られなくて大変だったろうし、最終的に亮磨とうまくいったので、亮磨、ちゃんと理解してあげろよ!とこれからを応援したくなった。
亮磨に関してはずっと結局自分がうだうだしているせいで前向きにもなれず面倒くさい男だなあと思っていましたが、伴走をすることでだんだん前向きになっていき、こちらも応援したいと思った。
最終的に清々しい気分で読了。