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【切なくも怖い】触法少女

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著者 ヒキタクニオ

 

【内容】

 小学校四年生のとき、深津九子は母親の瑠美子に捨てられた。九子は施設に保護され、母は幼児虐待容疑で逮捕された。心に闇を抱えながら善寺川学園に通う深津九子は、担任教師・三塚が寄せる後ろ暗い気持ちを利用して彼を支配し、クラスの男子・西野を下僕化、同級生の井村里実からは崇められていた。ある日、瑠美子の消息を知るチャンスが巡ってきた。運命は激しく動き出す。予想外の展開、そして驚愕のラストが!書下し長篇完全犯罪ミステリー。

 

【感想】

★★★★☆

「14歳」という年齢を目前にした、少女の犯罪計画。

主人公の九子は顔もよく頭もよい中学生で、母親から虐待、ネグレクトを受け児童養護施設で暮らしている。いつも話を聞いてくれるのは同じく虐待を受けて義足になった華蓮。そして彼女のアドバイスもあり、九子はクラスメイトや先生をうまいこと自分の下僕にしていた。ある日、九子は自分を捨てた母親を殺すことを決心し、毒殺について調べていく。

毒殺について調べ、実際に毒を作り、下僕の西野の家のアロワナでテストし、こちらもどんどんはらはらしていきます。

そして最終的に母親と母親の恋人は死亡し、九子が容疑者として警察で聴取をうけることになっていくのだけど、その聴取がなかなかハラハラ。里美親子が嘘の証言をした時に、「なんで余計なことを」と私は思ったのですが、九子は「里美のために嘘をついてあげられる母親がうらやましい」ってなるんですよね。切ないです。

 

最終的に華蓮がいつもしていた「声を出さない笑い方」の謎が解けて驚愕するんですが、それだけじゃないんです。さらなるどんでん返しがあって、とても面白いミステリでした。

 

 

触法少女 (徳間文庫)

触法少女 (徳間文庫)