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【香織の言葉遣いに嫌悪感が止まらない】武士道シックスティーン

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著者 誉田哲也

【内容】

宮本武蔵を心の師とする剣道エリートの香織。
3歳ではじめた剣道に朝から晩まで打ち込み、負けることが大嫌いな彼女は、中学最後の大会で無名選手の早苗と対戦する。
早苗に真正面からメンを決められ、負けてしまった香織。敗北の悔しさを片時も忘れられなくなってしまった。
日本舞踊をやめ、中学から剣道を始めた早苗は重心を下にした柔らかな動きでみるみる成長するが、楽しさを求め勝敗には固執しない「お気楽不動心」。
相反する二人が同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。
青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。
2010年に成海璃子北乃きい主演で映画化された人気の「武士道シリーズ」第一巻。

【感想】

★★☆☆☆

今の時点でこんな感じ。なぜならば、この主人公の一人、「香織」の言葉遣いとか思いとか、態度とか、好きになれない。

中学の最後の大会で真正面からメンをとられて負けた相手(早苗)と高校で出会い、防具もつけずに「やってみろよ。本気出してみろ。」と打ち合い早苗の脇腹を竹刀で強打。このエピソードもはっきり言って引いた・・・。これイジメ案件でしょ。

それでも早苗は「きっと彼女にも彼女なりの思惑がある」なんて甘く彼女と積極的にかかわるようにしていく。いい子だ。でも同じ部活でそんな争いたくないし、チームメイトなんだから仲良くしたいと思うのは当然だと思う。

 

しかし一匹狼の香織。教室でもお昼ご飯は一人で「握り飯」なんかを食べて、左手はウェイトトレーニング(笑)それで「五輪書」(宮本武蔵の記した兵法)を読みふける。

こんな女子高生、いやだ。

 

香織と早苗がちょっと言い争いをして早苗が誤って香織を突き飛ばした形になり、香織が左手を怪我した際、香織は早苗を責めることなく、怪我を隠して試合に出る。それで結局試合後倒れてしまい、補欠の早苗を推す。ここはちょっとよかったな。

でもほんと武士だな、香織。JK武士。

 

最終的に香織も色々悩み、早苗やほかの部員にも励まされ、一時はやめることを考えた剣道をまた頑張ることに。でないと3巻シリーズで買った私、「武士道どこいった!」ってなるしね。

 

香織が「兵士」としての武士から「武士道」JKにシフトしていくことになった今後に期待。

 

 

武士道シックスティーン (文春文庫)

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