【難病をやっつけろ】ビギナーズ・ドラッグ
著者 喜多喜久
【内容】
あきらめない。何があっても。
難病に侵された想い人のために何ができるのか。
彼が選んだのは、治療薬を創るという無謀な挑戦だった――。
いつだって、ひたむきな情熱は世界を変える。
「化学探偵Mr.キュリー」シリーズの著者が贈る傑作感動巨編!
中堅製薬会社・旭日製薬で事務職をしている水田恵輔は、祖父が入居する老人ホームで出会った車椅子の女性・滝宮千夏に一目惚れする。しかし、彼女は治療不可能な難病に侵されていた。彼女のために自分は何もできないのか。悩む恵輔の目に飛び込んできたのは、新規創薬テーマ募集の掲示。「そうか……。治療薬が無いなら自分で創ればいいんだ」決意を固めた恵輔は、同期の研究員・綾川理沙を巻き込み準備を始めるが、化学の知識ゼロ、文系出身の“創薬素人”の思いつきに対する周囲の風当たりは強く……。
次々と立ちはだかる困難、進行する千夏の病魔。
恵輔の努力と汗、情熱の結末は――。
【感想】
★★★☆☆
サクっと1時間くらいで読めました。軽い小説ですね。
内容的には重いというか、難病を治すために新薬を開発するお仕事物語。
世の中に案外難病ってあふれていて、難病指定されている病気で苦しんでいる方結構いますよね。
やはり、難病になる方の人数はたくさんいると言ってもやはり少数派。難病治療に使われるお薬は高額になれど、処方される方が少ないので製薬会社の利益になりにくいことから新薬開発がなかなか進まない。
この本での難病は「ラルフ病」で、ALSのようなものらしい。この病気が本当に存在するかどうかはわからないのですが。ググってもヒットしなかったので。
ともあれ、主人公恵輔は、祖父のお見舞いで知り合った、ホームで働く若い女の子「千夏」に惹かれ、この難病を治療できるような薬を開発しようと会社で奮闘。
サクっと読めた本なので、小説での時間の経過は長いものの、読んだ印象としては「サクサク事が進む」感じが否めない。
のですが、紆余曲折あり、新薬開発は進んでいく。
千夏が発作を起こして倒れたことを受け、恵輔はどうにか千夏に、まだ臨床まではいっていない薬を飲んでくれないかという提案をするも、千夏には「不公平だから」と断られる。確かにそうだけど、私だったら飲むな。一か八かで。
エピローグは途中で「あれ?」と思うものの、ほろりと来ました。
サクっと読めてほろりと来るお仕事小説、いかがでしょうか?
難病の新薬の開発も、進んでいくといいな。