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【冤罪の証明】幻夏

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著者 太田愛

【内容】

 「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」毎日が黄金に輝いていたあの夏、同級生に何が起こったのか――少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。流木に不思議な印を残して……。少年はどこに消えたのか? 印の意味は? やがて相馬の前に恐るべき罪が浮上してくる。司法の信を問う傑作ミステリー。日本推理作家協会賞候補作。

 

【感想】

★★★★★

真相がわかるにつれて辛いミステリーだった。

小学生だった頃の尚、拓、亮介。短い間の友情。美しい思い出。

尚が生きていたという事実、尚がどうして逃げなければならなくなったのか、そして尚のやさしさ。知っていくにつれてとても切ない気持ちになった。

 

最終的に尚の目的が分かると本当に切なくなった。

 

尚を救いたい亮介と、「ヒトゴロシ」になってなお、優しい尚。二人の気持ちがとても伝わってきて、じんときた。

 

警察の「冤罪」事件。この前「殺人犯はそこにいる」を読んでも思ったけれど、「疑わしきは罰せず」の司法はなくなってしまったのだろうか。冤罪が許されない世の中になればいいなと思う。

 

幻夏 (角川文庫)

幻夏 (角川文庫)