【なぜこんなことしようと思った!】出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
NetGalleyJPゲラ読了。表紙はまだなし。
2018/4/12刊行予定
著者 花田菜々子
【内容】
夫に別れを告げ家を飛び出し、宿無し生活。どん底人生まっしぐらの書店員・花田菜々子。仕事もうまく行かず、疲れた毎日を送る中、願うは「もっと知らない世界を知りたい。広い世界に出て、新しい自分になって、元気になりたい」。そんな彼女がふと思い立って登録したのが、出会い系サイト「X」。プロフィール欄に個性を出すため、悩みに悩んで書いた一言は、「今のあなたにぴったりな本を一冊選んでおすすめさせていただきます」———。
実際に出会った人達は魑魅魍魎。エロ目的の男、さわやかに虚言癖の男、笑顔がかわいい映像作家……時には自作ポエムを拝見し、かわいい女子に励まされ、優しい女性のコーチングに号泣しながら、今までの日常では絶対に会わなかったような人達に、毎日毎日「その人にぴったりの」本を紹介。え、もしかして、仕事よりもこっちが楽しい?!
サイトの中ではどんどん大人気になる菜々子。だがそこに訪れた転機とは……。
これは修行か? 冒険か? 「本」を通して笑って泣いた、衝撃の実録私小説!
【感想】
★★★★★
まず、タイトルに惹かれました。
「出会い系で出会った人に本を紹介する。」何で!と突っ込みたくなるようなタイトル。
ウケ狙いの話題になりたい感じの人なのかな?と最初は思いながら読み始めたんですが、全然違いました。
夫と別居を始めた著者が、ヴィレヴァンでの仕事もやめたいなあと思いながら「30分会ってみる」というコンセプトの出会い系「X」に登録して、出会った人たちの話を聞きつつ彼らに合ったおすすめの本を紹介するという修行をしていく本です。
最初にあった二人はやはり「出会い系」ならではの、「セックスに持ち込みたい系」男子。それをうまくかわしつつ、『日本のセックス』や『思いを伝えるということ展のすべて』を紹介。
その他にもいろいろな人たちとの出会いを通して、「この一冊」と思う本を紹介していく。中には「それ知ってる」など何回もダメ出しを食らったりするなどで、試行錯誤の上でのどういう風に本を紹介したらいいのかなどにも言及。
著者菜々子さんの突っ込みもかなり面白く、「自称年収5千万の男」など、結構噴き出してしまった場面もあったり、本人にしたら全く笑えないことだと思いますが、出会って本をおすすめした後に、「自分と菜々子さんのポルノ小説」を送りつけてくる男など、とても面白く読ませていただきました。
彼女の薦める本にもいろいろと興味を持ち、今度機会があったら買って読んでみようと思いました。私にも是非「この一冊」と思える本を紹介していただきたいなと思いました。
そしてその出会い系サイト「X」。検索してみたら「これかな?」と思うようなのがありましたが、今は出会い系サイトも千差万別なんですね。面白いなと思いました。海外在住なので出会えませんが(笑)
菜々子さんがお気に入りの「ガケ書房」今は移転して、
になっているそうですが、こちらにも心惹かれました。
いつか京都に立ち寄った際行ってみたいなと思います。
とても面白い本でした。
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
- 作者: 花田菜々子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/04/17
- メディア: 単行本
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