【余韻がすごい】さざなみのよる
著者 木皿泉
2018/4/18発売予定 ゲラ読み。表紙まだなし。
【内容】
小国ナスミ、享年43歳。息をひきとった瞬間から、その死は湖に落ちた雫の波紋のように、家族や友人、知人へと広がっていく。命のまばゆいきらめきを描く著者5年ぶりの感動と祝福の物語!
【感想】
★★★★★
読後感が、なんというか、余韻が素晴らしいです。
最初にナスミという中年女性が癌で亡くなるところから始まるんですが、
最初のナスミの思いや、その時の家族の様子に冒頭から涙が止まりませんでした。
ナスミが亡くなった後もしばらくは涙が止まらず、家族の思いなどが心にグッときて、ずっとティッシュ持ったまま読んでいました。
その後、だんだんと家族や、友人のナスミとの思い出や、現在の様子などが描かれながら、前に向かって歩き始めます。みんなが語るナスミという女性は次女っぽく奔放ながら、一本気な方で、素晴らしい人でした。
ダイヤモンドを天井に貼って目のようにして天国からの窓をつくるエピソードや、ナスミが同僚をかばって上司を殴ったこと、その彼女が「目」について鷹子に教えたこと。そしてナスミの好きだった漫画家さんが鷹子に持ってきた最終原稿のコピー。最後の「続くッ」は泣けました。
その他にも愛子という女性、その後愛子と日出男の子供の光の話。
未来に向かって歩いていく姿をみながら、こちらも涙が自然に止まり、前を向こうと思うようになりました。
人が手に届かない遠い所へ行ってしまうのはどうしようもない悲しみに襲われます。私も経験がありますが、この本を読んで人生を続けていこうと思いました。
誰かを失った人、前を向きたい人におすすめの本です。
この本が出たら私も是非購入して本棚に入れておきたいと思いました。
余談ですが、木皿泉さんは夫婦で脚本を書かれている方なんですね。ついこの前記事を雑誌で拝見しました。なんだか夫婦で支えあっていて、素敵だなあと思いました。