【年をとってもできるスポーツ】たまごを持つように
著者 まはら三桃
【内容】
自信が持てず臆病で不器用な初心者、早弥。ターゲットパニックに陥った天才肌、実良。黒人の父をもち武士道を愛する少年、春。たまごを持つように、弓を握り、心を通わせていく、中学弓道部の男女三人。こわれやすい心が、ぶつかりあう。
【感想】
★★★☆☆
中学の頃、弓道をやりたいと思ってました。ですが、なかったので違う部活に入りました。そして高校の特に弓道部にはいりました。武道を始める理由って人それぞれだと思いますが、私は単純に「かっこいい!」と思ったクチです。
中学から弓道部だった経験者の人たちも結構いました。弓道部に入って最初にすることは、射法訓を覚えること。
射法訓とは
射法は弓を射ずして、骨を射ることもっとも肝要なり。心を総体の中央に置き、而(しこう)して弓手(ゆんで)三分の二弦を押し、妻手(めて)三分の一弓を引き、而して心を納む是れ和合なり。然る後、胸の中筋に従い、よろしく左右にわかるる如くこれを放つべし。書に曰く、鉄石相剋(てっせきあいこく)火の出ずること急なり。すなわち金体白色西半月の位なり。
まずこれを暗記することから始めました。漢字からして難しいですよね。
その後、射法八節
足踏み
胴造り
弓構え(ゆがまえ)
打起し(うちおこし)
引分け(ひきわけ)
会(かい)
離れ(はなれ)
残心(ざんしん)
で一通り弓の引き方を教えてもらい。ゴム弓で練習。私は猿腕だったのでそちらもひっこめる訓練。
で、夏にやっと初めて弓を持ったかな。懐かしいです。
スランプにも陥ることがありました。
でもどこがわるいのかもよくわからないんですよね。精神的なものでうまくいかなくなったりするんですが、うまく引けなくなるとまた苦しくなってループに陥る。
でも綺麗に引けて、まっすぐ中って、弓も自然に弓返りして、その時の残心って、すごくすごく気分がいいんですよね。
わりと試合に出してもらえることは多かったんじゃないかな。地方の大会では優勝したこともあります。
読んでいてとても懐かしい気持ちになれました。
そして、この単行本の表紙の紙もすごく好きですね。
なんかさらっとしてるのにぬめり感がある紙で。ついつい触ってしまいます。