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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【タイトルが秀逸】君の膵臓を食べたい

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著者 住野よる

【内容】

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。
それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。
読後、きっとこのタイトルに涙する。デビュー作にして2016年本屋大賞・堂々の第2位、75万部突破のベストセラー待望の文庫化!

 

【感想】

★★★☆☆

言わずと知れたベストセラーで、発売当初から気になっていました。観ていませんが映画化もされていますね。

 

読んだ最初の印象としては「ラノベっぽい」文章かな。小説投稿サイトからのデビューなんですね。すごい。

 

評判もいいみたいだったので読んでみましたが、うーん、これは単行本で買う価値まではないかな・・・と思ってしまいました。

 

病気の女の子のリアリティがない。膵臓の病気でお酒飲んだりホルモン食べまくったり糖分とりまくったりしていいの?特に未来の話でもなさそうだし。

そして主人公の彼。病人にブラックジョークきつすぎるでしょ・・・・。こんな子嫌だわ。そして最後まで名前を隠す意味が分からなかったです。最後名前を聞いても「へえ。ああそうだね。志賀直哉村上春樹ね。それで?」としか思えなかった。「仲良し」くんなどと、呼び方で彼女の彼に対する気持ちなどの変遷や彼の周りが彼をどう思っているかがわかりやすいってことかなとは思ったものの、それ必要あるかな・・・と思いました。

 

まあでもそれは置いておくにして、本の大方の筋としてはまあまあだったかな。ラスト、彼女が病気で死ぬのではなく、最初にさらっとはった伏線「通り魔」が出てきたのには意外でした。ほかにもなんとなく伏線あったかなと思いますが、さらっと流されていました。もうちょっとソフビ人形とかロープとか、生かせていたんじゃないでしょうか。

 

そして最後、彼女が亡くなってから一年後、お墓参りに行く描写が分かりづらい。「恭子のことを好きな彼」っていうのは最初途中で出てきたしおりくっちゃくちゃにした委員長が恭子に鞍替えしたのかと思いました。ガムの人って誰だよ。「もしかして」と読み返したら最初にさらっと出てきたあの、最初に掃除してる時に話しかけてきた男の子ね。印象薄くて忘れてたわ。確かにガム勧めてた。

 

「君の膵臓が食べたい」というタイトルはでもよかったです。目を引くし、奇をてらっている。

 

彼女が亡くなる寸前、彼女からのメール「・・・ほら、さっさと」で彼はケータイを置いて、すこし考えている。その後に「君の膵臓をたべたい」とメールを打ち、そのメールは既読になっていた。と会ったけど、現実的に考えて「さっさと」って結構メールの途中だったからこの時に刺されたとして、その後しばらくたってからのメールって読めるだろうか。刺されてしばらく生きてメールが来て、それを読んで亡くなった・・・ってことなのかな。それともお母さんがメール見たとか、変死だし警察が見たっていうこともありそうだけど。ま、彼女が読んだってことにしといたほうが話的にはいいよね。まあそういうことで。

 

映画は結構編集されていて、ラストの部分とかわかりやすそうだったので、もしかしたら映画のほうがいいのかもしれない。これはデビュー作だし、小説投稿サイトの書籍化だし、これからの作品に期待します。

 

 

 

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

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