【女の種族】対岸の彼女
著者 角田光代
【内容】
結婚する女、しない女。子供を持つ女、持たない女。それだけのことで、どうして女どうし、わかりあえなくなるんだろう。ベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めた専業主婦の小夜子。二人の出会いと友情は、些細なことから亀裂を生じていくが……。多様化した現代を生きる女性の姿を描く感動の傑作長篇。第132回直木賞受賞作。 夏川結衣、財前直見が主演、堺雅人、根岸季衣、木村多江、香川照之、国分佐智子、多部未華子の豪華スタッフが共演したWOWOWのドラマは、平成18年度芸術祭テレビ部門(ドラマの部)優秀賞を受賞した。
【感想】
★★★☆☆
女には種族がある。子供の時からそれは変わってくるけれど、いつも何かの種族に属している。
子どもの頃だと、真面目でおとなしい種族、遊んでいてあんまり勉強もしない種族、いじめられたり標的になったりする種族・・・・
学校を卒業して大人になるとだんだん変わっていき、独身種族、結婚して子供のいない種族、結婚して子供がいる種族・・・と移り変わっていく。
私たちはなかなか対岸の種族に対し積極的に近づくことはできない。
葵は「ひとりが怖い世代」といったが、それに対しては本当に共感。
この本では結婚して子供を持つ小夜子と、独身キャリアウーマンの葵の話、そして葵の過去の話との対比が利いている。
はじめは小夜子に共感しつつも、最後は葵の苦しさを感じた。
結末はすごく良かった。