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【因縁にとらわれた女】熊金家のひとり娘

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著者 まさきとしか

【内容】

北の小さな島で、代々娘一人を産み継ぐ祈禱の家系に育った熊金一子は、神と畏れられる祖母と「血」から逃れるために島を出る。やがて大人になり、男の子の母親になることを願う一子が産んだのは――やはり女だった。明生と名付け息子のように育て愛そうとするが、ある日明生が失踪。一子は「バチが当たった」と怯え始める。母の愛に迫るミステリ。

 

【感想】

★★★☆☆

終始暗い雰囲気を漂わせている作品。

 

小さな島で「神」と呼ばれる祖母と二人暮らしの一子はいつも島を出たいと思っている。そしてなぜか初潮が来ることを恐れている。なので14歳になっても生理が始まらない。知らない人の前で足を開くのが嫌だという謎が、後々出てきた彼女の死までの友人の一言によって分かった。「あげまん」。詳しくは書かれていないが、祖母はそういうことをして因縁を払ったりしていたのかもしれない。

 

一子は因縁をとても気にしていて、それは祖母がよく口にする言葉だからだけれど、だからこそ、彼女は初潮が始まる前に「因縁のある」少年と交わる。そしてその後初潮が始まったことに安堵を覚える。

 

なんだか気持ちの悪い感じから始まる文章。

 

一子はその後娘を二人出産。でも娘二人も結局は一子のせいで、悩まされることになる。明生は妹が生まれるまで男の子として育てられた。それは一子の祖母が放った言葉「熊金家は代々一人だけ女子を産む。だからお前の名前は一子。」という呪詛のような言葉からきている。

 

妹のほうも幽霊が見えたりそのせいでペテン師のような仕事をすることになったり、なかなか幸せにはなれない。母親一子も突然失踪。

 

そして最後、母親の行動の謎などが解き明かされるのだけれど、私には彼女の気持ちが全く理解できなかった。けれど「毒母」というものはこういうものなのかもしれない。

 

 

 

 

熊金家のひとり娘

熊金家のひとり娘