【親のあり方、教師のあり方を問う】青い鳥の教室
著者 池永陽
【内容】
体罰を行い島に転勤させられた、かつての熱血教師“ぐうたら”先生。
のどかな田舎の学校に着任したと思いきや、狭い島の中で行われていたのは、陰惨ないじめだった。教師と真っ向から対立する有力者の娘。授業ボイコット。モンスターペアレント。島そのものを変えなければ正しい教育はできないという校長の説得や同僚とともに、“ぐうたら”先生はかつての自分を取り戻していく――。
【感想】
★★★★★
私も子供に物事を教える立場にいます。なので、先生目線でこの本を読みました。
この本はかなり多くの「警察沙汰にまで発展するような」問題が出てきます。
いろんな学校があるでしょうが、警察沙汰になることは少ないと思いますが、こういった問題はいろいろと教育現場では起きていることだと思います。
白雪姫がたくさんいる劇、私も聞いたことがあります。何言ってるの?って思いましたが、本当にそういったクレームのせいでそんな劇が行われたりするみたいですね。
保護者にとって子供はただ一人のかけがえのない存在。それはよくわかります。
でもその一人一人が全員教室の中で白雪姫だとは思いません。いろんな子がいます。みんなそれぞれ違っていて、個性的です。だから面白いんです。
「子供はみんな嘘をつく」これも本当だと思います。別に大した嘘をつくわけでもないんですが、とっさに嘘をついたりすることってあります。ちょっとした嘘を保護者について、その子としてはお母さんに「自分にかまってほしい」とかそういうたぐいの物だったりするんですが、そういったことで先生の立場が悪くなったりすることって、経験としてあります。
子育ては学校ではなく、家庭でするもの。これも確かにそうですね。万引きをしてはいけませんとか、人の物を勝手に触ったりしてはいけませんとか、もちろん学校でもとりあげたりしますが、基本的には家庭で指導してもらうものかなと思います。
暴力行為もそう。中学生の男の子にたたかれたことがあり注意したところ、その子の親に「うちは両親ともに子供をたたいたり殴ったりしたことは一切ない。なのでうちの子がたたいたとは全く考えられない」と言われたことがあります。
その理由に結構びっくりしましたが、そういう保護者って結構たくさんいます。なので教育現場はサプライズでいっぱいです。
この本を読んで「先生としての在り方」も考えましたが「保護者としての在り方」も大切なことなのではないかと思いました。先生になるにはたくさんの勉強、指導、資格があったりするけれど、保護者になるにはなんの資格も必要ないですしね。