【前向きな切なさ】僕の未来だった君へ
著者 鳥海領
【内容】
桜舞い散る晩春、高専生の直樹は雪女を名乗る少女に出会う。心にトゲを抱え孤独に生きる直樹は、いつしか彼女にだけは心を開くようになる。しかし冷たい冬が来る前に彼女は・・・。こじらせ系男子の初恋ファンタジー。
【感想】
★★★☆☆
まあ、雪女との恋は前向きな切なさを感じる話でした。
ある日雪女と出会う直樹。直樹はわりと孤独で、過去のある理由から実家にも帰らずにいた。
その過去の事情のせいでちょっと後ろ向きな直樹も、雪女の雪との交流でだんだん心を開くようになっていき、変わっていく。
しかし、雪は雪女。住む世界が違う。
ということで、なかなか切ないお話でした。
タイトルの意味も、分かった時に、きれいだなと思いました。
でも、ちょっとあっさりしてたかなという感じです。
もうちょっと、昔亡くなった佳苗が、どういう経緯で車にひかれたのかとか、お父さんはほんとは佳苗とどういう距離だったのかとか、ちょっと想像力を働かせてもちょっと推し量りかねるというか。できれば佳苗は「約束の場所へ行く途中車にはねられた」とかちょっとそういうことが書いてあったらもっと心を打ったのかなあと。
あと、寒太郎って物語に必要だったのか・・・・。
そして、美芳とこれからどうなっていくのか。なんかもうちょっと含ませてほしかったかな。
などなど、まあデビュー作らしいのでまたこれからに期待。