【青春の熱さと郷愁】愛と勇気を、分けてくれないか
著者 清水浩司
【内容】
痛くて、熱い、“あの時代” の青春小説
あの日、燃え上がった青春の火は、これからもきっとずっと消えない。――秦 基博さん
こんな過去はなかったはずなのに懐かしい。「青春」ってきっとこうだったのだ。――西 加奈子さん
痛みも無力も知ってしまった今、進むしかない。愛と勇気を分けるためさ、進め、進め。――永作博美さん
いつまでたっても、自分に何かを問いかけてくる。それが、故郷・広島。――湯崎英彦・広島県知事
そうか、あれが青春の正体だったんだ。痛くて熱い、「あの時代」青春小説の誕生! 80年代後半、広島市民球場が、デビューしたばかりのユニコーンが、確かに息づいていたあの日。ひとりの転校生が、美少女に心を射抜かれた瞬間、それは始まった。賑やかで、残酷で、なす術もなく熱病に浮かされたようになりながら、それでも全力で立ち向かうしかなかったあの日々が――。
【感想】
★★★★☆
父親の転勤に伴い、引っ越してばかりの主人公、桃郎。
仙台から広島に転校してきた彼は、そこで短いながらも忘れられない青春のページを刻む。
惚れっぽい桃郎は同じ愛郷委員の小麦を好きになるが、小麦にはすでに好きな人がいた。それは愛郷委員のOBユキトという二十歳の男で、以前伝説を作った男だった。
「でっかいことをしたい」とユキト、小麦、桃郎は愛郷委員を巻き込んでフェスの開催を試みるが、ユキトの父親に「どういうメッセージがあるのだ」と聞かれて何も言えなくなってしまう。
私も小さい頃は転校を繰り返して、桃郎の気持ちがよくわかった。
そして、「何か大きなことをしたい」という気持ちもわかった。そんなことなかなかできないけれど。
地元愛っていいなと思いました。
青春の熱い気持ち、そして郷愁の寂しさを感じる物語だった。