【何もない日常を宝物のように感じる】雲と鉛筆
著者 吉田篤弘
【内容】
ぼくは、屋根裏の部屋に住み、鉛筆工場で働いている。大きなものが書かれた小さな本を読み、雲を眺め人生について考える。そんなある日旅立ちの時が来た。
2005年1月に創刊しました「ちくまプリマー新書」は本書『雲と鉛筆』で300点を突破いたしました。
「ちくまプリマー新書」は「プリマー=入門書」という名にふさわしく、一般の教養新書と比べ、よりベーシックで普遍的なテーマについて、若い読者の人たちにもわかりやすい表現を用い、学校でも家庭でも学べない大事なことを「近所のおじさん、おばさん」のような立場から、わかりやすくまっすぐに伝えています。
6月中旬より全国の書店さんで300点突破を記念して「ちくまプリマー新書フェア」も開催いたします。今後とも「ちくまプリマー新書」をどうぞよろしくお願いいたします。
【感想】
★★★★★
特にこれといった大きな出来事などはないのですが、なんでもない日々が温かく感じる、そんな物語でした。
たとえばお姉さんにジューサーミキサーをプレゼントする。するとそのジューサーミキサーは壊れていた。
でもすぐに修理に出さず、お姉さんは
「壊れたものには、動いているものとは違う美しさがある。動けばそれは道具だけれど、動かないジューサーミキサーはその役割から解放されて、そのうちジューサーミキサーという名前からも自由になりました。」
という。
なんか、面白い考え方だなと思ったし、とてもいいなと思いました。
読んでいるうちに宝物のような本だと思えてきました。
文章も易しく、子供から大人まで読むことができます。
そして、あとがきを読んで「ちくまプリマー新書」にも興味が出ました。いろいろな本をチェックしてみたいと思います。