【おもてなしの精神】自分も相手も幸せになる最高の気づかい
著者 中川奈美
【内容】
ANAの国際線CAの接遇術を掲載します!
難しいことをせず、背伸びもせず、「ちょっとだけ違うこと」を徹底すること。
それにより社内賞を受賞したり、VIP顧客から絶賛されたりしてきた著者の接遇術を是非ご一読くださいませ。
ネットギャリーでは一部原稿掲載します!
【感想】
★★★★★
私も日本にいたときは赤い方のエアラインで地上職として働いていたので、懐かしさを覚えながら読みました。
ここに書いてあることは、もしかしたら「知っていることばかり」かもしれません。
でも、「知っていること」と「できること」はまた別の話で、さらに「気付くこと」はとても難しいかもしれません。
実際振り返ってみると、エアラインで勤務していた頃よりも、30を過ぎた今のほうが「マナー」「気遣い」に対してもっと気付くことができるかもしれないと思いました。何より20代のばたばたしていたころは、本当にばたばたしていて飛行機の時間が迫っていてテンパることが多く、その限られた時間の中できちんとお客様の声に耳を傾けることができていなかったかもしれないな、と今では思います。
海外在住の今、そんなエアラインで働く人達を見ていても「耳を傾ける」なんてほとんどないですが・・・。むしろ「思い込み」で誤案内されることが多く、自分がしっかりしていないとダメなことがほとんど。
以前も外国籍の夫と日本に一時帰国するときに「日本に行くにはビザが必要だから、見せて」とチェックインカウンターで言われ、「いや、1か月で帰ってくるのでビザは必要ないですよ」というも、「いや、日本に行くだけでビザが必要なんですよ、知らないんですか???」と自信たっぷりに言われるので、こっちも「え!変わったのかな???」と思い不安になる。そして調べてもらうと
「ほら!90日以上の滞在にはビザが必要」って書いてあるわよ!と強く言われる。
「いや、だから1か月で帰ってくるんですが」というと
「あなたそれ言わなかったじゃない!」と逆切れされました。
いや、帰りの分も印刷されてるEチケット渡したし、さっき「1か月で帰ってくるから」といったし・・・。
まあこれは日常茶飯事なので「やれやれ」で終わりますが。こっちもいちいちそれに対して怒ったりしてたらエネルギーの無駄遣いですから。
日本に帰るとちょっとしたおもてなし精神に感動することがあります。逆に、日本で気遣いがあまりにもないと、かなりがっかりしてしまいますが。日本に対するハードルって結構高いです。
以前東京スカイツリーに遊びに行った際、シャトルバスに乗ったのですが、前払いでお金を払おうとしたら、一万円札しかありませんでした。運転手さんに「これってくずせないですか?」と聞いてたら私の夫の後ろにいた50代-60代くらいの男性に
「お前は馬鹿か!!そんなもんもわからずにバスに乗ろうとしてこのくそたわけが、さっさと降りろやこのくそ女。このたわけ!!」
と大声で怒鳴られました。
私自身もショックでしたが、何よりも、それを日本語がわかる夫に聞かせてしまい、申し訳ないのと恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。
私も細かいお金がなくて知らずにバスに乗ったことは多少人を待たせたこともあり、申し訳ないですが、そこまで言われないといけなかったかな、と結構ショックでした。
お金を崩せないですか?といったので私がほかの人から奪った時間は、そうですね、3分くらいでしょうか。ここまで罵声を浴びせられるとは思いませんでした。今でも忘れられません。この男性については怒りというよりは、同じ日本人として、私は恥ずかしいなと思いました。すぐ、運転手さんに「ご迷惑おかけしてすみません」と言い、バスを降りてお店でペットボトルのお茶を買い、次のバスを待ちました。
夫には何も言えませんでしたし、夫も何も言いませんでした。
外国人だったら、お釣りがなかったり、お金を支払うときに戸惑ってしまうこともあると思います。外国人じゃなくても、おのぼりさんだってそういうことあると思うし、私も一時帰国の時なので日本でバスに乗るの久しぶりだし、バス停にいったらすでにバスがちょうど来ていたので乗ったので細かいお金を確認してもいなかったし。
罵声を浴びせる前に、気遣いができる人になりたいなと思います。まあ、私あんまり人に対して怒ることはないんですが・・・・。
ホスピタリティの精神とまではいいませんが、相手に不快な思いをさせないように生きていきたいと思います。