【恐ろしいのは大人だけじゃない】ユートピア
著者 湊かなえ
【内容】
【第29回 山本周五郎賞受賞作】
善意は、悪意より恐ろしい。
足の不自由な小学生・久美香の存在をきっかけに、母親たちがボランティア基金「クララの翼」を設立。
しかし些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、やがて不穏な事件が姿を表わす――。
湊かなえが放つ、心理サスペンスの決定版。
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で、立場の違う3人の女性たちが出会う。
「誰かのために役に立ちたい」という思いを抱え、それぞれの理想郷を探すが――。
【感想】
★★★☆☆
山本周五郎賞だけど、そこまでグッと来なかったかな、というのが私の感想。
陶芸家・すみれがは「こういう人、いるいる!」と思いながら読めました。痛い!
菜々子の娘・久美香は交通事故にあったことにより歩けなくなり、車いすで生活している。久美香と友達になった光稀の娘・彩也子の作文により、すみれは自身の作品をチャリティーで売ることを思いつき、それで名声を得ようとする。しかし、そんななか不穏な噂や事件が起こり、過去の事件も合わせて物語はきな臭くなっていく。
最終的に健吾側の思惑などがあまりはっきりしないため、少しもやもや感が残る。
最後の最後である「告白」があり、湊かなえだなあーと思わせてくれた。