【アメトークで紹介された本】あひる
著者 今村夏子
【内容】
文学ムック「たべるのがおそい」創刊号に掲載された注目の表題作ほか、書き下ろし2編を収録
【新たな今村夏子ワールドへ】
読み始めると心がざわつく。
何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。
淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。
あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在りようを、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。
【感想】
★★★★☆
なんだか不思議な、心がざわつくような作品でした。
なんだか本の感じとか、レイアウトとか、文字フォントとか、文章の書き方とか、学校の教科書とか、学級文庫を思わせるような感じ。
飼っているアヒルが弱って行き、お父さんが獣医に連れて行くと違うアヒルが帰ってくる。
お母さんはなんか宗教的で、よくお祈りをしている。
「え?なんなの?アヒルどんどん入れ替わって最終的にどうなるん!」となります。淡々と語られていて、特に大きな出来事もないのですが、心がざわざわする。
すこし「星の子」を彷彿とさせるような世界観。くせになるかもしれない。