【好きになれない主人公、でも面白い】イダジョ! 医大女子
著者 史夏ゆみ
【内容】
「わたし、絶対医者になる!」
猪突猛進医大生の恋と成長の物語。
聖コスマ&ダミアノ医科大学。御三家には劣るが、私立の医科大として名を馳せるこの大学に、安月美南はこの春から入学することになった。
入学早々直面するボンボン医大生との差、実習・勉強での実力不足、そして身近な人の死を目の当たりにして問われる医者になる覚悟――。
同級生の友人たちと共に解剖実習や試験を乗り越え、同級生と附属病院の医師の間で恋に揺れ、父の病気で学費問題に悩まされながらも、美南は悪戦苦闘しつつ、ひとりの〝医者〟になっていく。
医大の女子大生を主人公に、医科大をというものを描きつつ、恋愛・青春・医者を巡るドラマを描くエンターテインメント作!
【感想】
★★★★☆
家族仲良し、天真爛漫な性格の美南が医大に入って卒業するまでの6年間を描いた物語。
個人的に美南の性格はあまり好きなタイプではなく、むしろ嫌いなタイプ。
お気楽で無神経で、本人の知らないところで人を傷つけるというか、はじめは美南に敵意を抱く沙良(家族とうまくいっていない、家族から医者になれと押し付けられたのでやる気ない)についてあまりいい感じがしなかったけれど、読んでいくうちに美南のことが嫌いになっていき、沙良や美南の妹孝美が美南に叱咤する様を見て「よしもっと言ってやれ!」なんて思いました。
付き合ってるか微妙なままお付き合いをしていた日向くんについても、気まずくなってそのままフェードアウトとか、こんな女子いる!男子もいる!大嫌いなタイプ!と思わざるを得ませんでした。つまり、めっちゃリアルってことですかね。
美南の妹の孝美がとてもよかったです。理想のタイプ。
医学部はお金がかかるんですよね。私立ならなおさら。家族の事情で急にお金のピンチになった時におろおろしている美南に「ざまーみろ」と沙良だけでなく私も思いました。けどそこで恋人景見が陰ながら奮闘していたのには、すみません、興ざめしました。
人が寄ってきて助けてくれるタイプの主人公にはちょっとイラっと来ましたが、とても面白かったです。