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【気持ちのよい弦音が聞こえてくる】凜の弦音  

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著者 我孫子武丸

【内容】

篠崎凜──翠星学園高校弓道部。一年生。中学から弓道を始め、現在弓道二段。ひたむきに弓道を打ち込む、一直線の少女。そんな凜が師匠、棚橋先生の家で、ありえない矢で男が殺された事件に巻き込まれ、事件を解決。『弓道名人は名探偵』と校内新聞で取り上げられて……。友達に悩み、自分に悩み、弓道に悩む青春真っ只中の凜をめぐり、さまざまな人々が現れ、いろんな事件が巻き起こる。ひとりの少女の成長を活き活きと描く傑作長編。 

 

【感想】

★★★★★

高校時代は私も弓道部でした。

弓道をやっていた私にとって、弓道を題材にしたものは、どうしても心惹かれます。

 

中学の時から弓道がしたかったんですが、残念ながら私の通っていた中学には弓道部はありませんでした。なんであんなに心惹かれたんだろう、特に弓道マンガを読んだとかそういった覚えはないのですが、とにかくやってみたかったんですよね。あと、単純に袴を着て弓を引くってものすごくかっこいいと思っていました。

 

弓道部に入ってからは大好きな先輩や仲間と、楽しく、時には涙を流しながら練習しました。早気などはないものの、やはり心が乱れたりすると中らなくなるし、中らなくなるとさらに心が乱れて泣きたくなる。普段の練習の時は「調子が悪い」で終われますが、試合前の選手を決めるとき、そして試合中なんかはもう精神的にきついです。

 

それでも気持ちよい射ができたとき、いい弦音が鳴った時、まっすぐ的中したときは心がすっと晴れやかになります。この一瞬の為に弓を引いたっていうくらい。

 

さて、今回は弓道×ミステリー。なかなかない題材なのでとても面白く読めました。


しかもミステリーだけじゃなく、弓道をしている人やしていた人、弓道に触れたことのない人でも引き込まれていくと思います。


読みながら弦音の音も聞こえてきました。弦音って、うまくはなれができなかったり、気持ちによっても音が違うんですよね。そんなことを思い出しながら読みました。

 

また弓道をやりたいなと思いました。

 

ていうか、著者の我孫子武丸さん、まさかの『殺戮にいたる病』の方ではないですか!最近では『8の殺人』も読みましたがこういった爽やかな青春物も書かれるんですね。面白いです。

 

ところでNHKで「ツルネ -風舞高校弓道部」というアニメが始まりました。

私も一話見たのですが、よかったです。早気(会が短い、もしくはない)に悩む男の子が出てきました。何よりも音がいいですね。弓を引く音とか。久しぶりに聞きましたが、すごく良かったです。原作も読んでみたいです。

 

凜の弦音

凜の弦音