【まさかの結末に驚きと悲しみを隠せない】絵里奈の消滅
著者 香納諒一
【内容】
最後のページに「彼女」はいない――。
謎の女の正体にあなたは気づけるか?
元刑事で探偵の鬼束啓一郎。彼がかつて逮捕した男・牛沼が水死体で発見された。その前日、鬼束の携帯電話には、牛沼からの不在着信履歴が残っていた。その電話の用件とは、行方不明になっている娘・「絵里奈」を探してほしいという捜索依頼だったらしい。鬼束は依頼人不在のまま、牛沼の遺品の写真を元に、絵里奈の行方を追うことになるが……。失踪した謎の女を取り巻く闇に迫った鬼束が、最後に目にした衝撃の結末とは?
著者渾身の傑作ハードボイルド!
【感想】
★★★★☆
調査員鬼束がかつて自分が逮捕した男の娘「絵里奈」を追っていくうちに衝撃的な結末にたどり着くというミステリー。
絵里奈の周りを知っていくうちに、とても辛くなっていく。
母親は占い師で何回も結婚、そして兄が3人いて、そのうちの一人は癌で若くして亡くなっている。家庭環境が複雑すぎて、こんなん狂うわって思う。
そしていろいろと謎を紐解いていくうちに牛沼が持っていた写真の謎についてフォーカスしていく。家族写真に見えるのだが、母親、兄3人、そして赤ん坊を抱く少女。
その少女は「私」だと絵里奈は言うが、カレンダーの日付を見るとその赤ん坊のほうが絵里奈であることは確か。ではこの少女は誰なのか。
どんどん追っていくうちに衝撃の展開になっていき、ページをめくる手が止められない。
その少女は誰なのか、どこにいるのか、家族は一体何を抱えているのか。
そして鬼束の依頼料は支払われるのか。
読み応えのある本でした。