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【みよちゃんの抱える闇が深すぎる】DRY

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著者 原田ひ香

 

【内容】

北沢藍のもとに、十年以上も会っていなかった母孝子が祖母ヤスを刺して留置場にいると、弁護士から連絡が来る。藍は職場の上司と不倫して、二人の子供を置いて、武蔵小杉のタワーマンションから追い出され、今は元住吉4万8千円のアパートにひとり暮らしている。昔から、男にだらしない母とお金にがめつい祖母はけんかが絶えず、藍は逃げるように家を出たのだが、年老いてうら寂しく暮らす二人に久しぶりに会い、食べるものにも困る今の自分の境遇もあり、金をかき集め保釈された母と、傷は浅くすぐに退院した祖母と女三人、袋小路にある実家で暮らすことになる。家は荒れていて、隣近所も空き家が多くひっそりとしている。隣に住む幼馴染の馬場美代子は、彼女の母親が家を出た後、祖母と父を介護の末見送り、40代となった今も祖父の介護が続いている。久しぶりに会う美代子と、親に振り回される者同士親しくなり、行き来をするようにな//る。介護に邁進する彼女は町一番の孝行娘とあがめられているが、祖父は確か百歳は超えているはずだ。介護しかしてこなかった美代子は、祖父が亡くなった後、どうやって暮らしていくのだろうか。実は、彼女の暮らす家にはのちに世間を騒がせることとなるおぞましい秘密が…。藍は思う。この世は修羅で女の生きる道はただ人の後始末をするしかないのだろうかと。

 

【感想】

★★★★★

読んでいくうちにどんどん物語に引き込まれていった。


男を作っては出ていく母親が、ある日祖母を包丁で刺したとのことで、主人公の藍は母親に頼まれて保釈金を用意する。彼女も不倫という理由で夫と離婚し、子供からも引き離されている、人生の底の方にいる感じの女性。

 

祖母の家の隣に住むみよちゃんという40歳の女性は、自宅で祖父を介護し生活していて、藍の祖母と母のケンカを仲裁したり、藍にもとても親切にしてくれているが、話が進むにつれだんだんとみよちゃんという女性の闇が見えてくる。予想だにしなかったみよちゃんの秘密。そしてその秘密を共有してしまうことになる藍。

 

ページをめくる手がやまず、最後まで一気読み。


「DRY」というタイトルがぴったりでした。みよちゃんの秘密についても、藍の感情についても。

とても面白かったです。

 

2019/1/23発売予定