【一人では学べないこともある】居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校
著者 桜井美奈
【内容】
あなたもここで、羽を休めていきませんか 居酒屋の空き時間を使って開かれる、フリースクール。 一見冷たく厳しい校長・鈴村明也と天然で明るい店長・村瀬晴彦、 そしてそこに通う様々な生徒たちが織り成す、温かで、奇跡のような時間。 友人・村瀬晴彦の居酒屋が経営難に陥っているのを救うため、親の遺産で物件を購入することにした鈴村明也。立て直しのために経営に乗り出すことになるが、その中で、晴彦の息子が不登校になっていることも相談され、無理矢理ランチをやっていない居酒屋の昼間、空いている空間を利用して、フリースクールを開くことに! 地域との繋がりを持たせつつ、居酒屋の知名度を上げるため、と仕方なく引き受けるが……。 学び直したい老人、夢がないフリーター、挫折したフィギュアスケーターなど、居酒屋とフリースクールを通して彼らの悩みを解決しつつ、明也自身の問題も、それを通じて解決されていく、五話からなる温かな連作長編。
【感想】
★★★★☆
目標に向かって頑張りたくなる気持ちにさせてくれる本でした。
晴彦が店長をやっている居酒屋すずめのお昼はフリースクール。そこに通うのは中学を不登校中の晴彦の義理の息子の亮我、そしてゲームばかりするフリーターの祐斗、学びなおしたいおばあちゃんのハツネ、そして途中で入学してくる若菜。
4人ともみんなばらばらの年、動機だけど、明也校長のいるフリースクールで勉強をしている。
亮我が中学校へ行かない理由、ハツネが英語が嫌いな理由、祐斗がフリーターで無気力なわけ、若菜がご飯を食べない理由。そして明也が抱える大きな秘密。それぞれと抱える問題は違いますが、読み進めていくうちに暖かな気持ちになれます。
学校へ行くことで一人では学べない何かを学ぶことができるということと、勉強をすることで得られる楽しさがあるということ、目標を持つことで勉強が楽しくなるということを感じました。
大人になり学校を離れた今だからわかる、勉強の楽しさ、大切さ。
ぜひ中学生高校生の子供たちにも読んでもらい、自分が何のために勉強をしているのかなどを感じてもらえたらなと思いました。