【ドイツでの癌治療体験私小説】前立腺歌日記
著者 四元 康祐
【内容】
がんの話がこんなに面白くてよいのだろうか…!? ドイツ在住の詩人が、自らの体験を飄々と綴った、ユーモアあふれる闘病私/詩小説。
【あらすじ】
長年ドイツ・ミュンヘンで暮らす「私」に、ある日、前立腺がんが見つかった! 現地での、手術、がんのリハビリセンターに滞在しての「機能回復訓練」、その後の放射線治療、そして得たものは、臍の下の空洞と……。
【柴田元幸さん推薦!】
「前立腺を除去してみれば、おくのほそ道、ダンテの宇宙。 詩と散文の、どこか怪しげな、にもかかわらず(否、だからこそ)胸に迫る融合。」
【本書より】
手術の場合の後遺症って、なんなんですか? と私は訊いた。 主に尿漏れと性的不能です、と彼は答えた。 あはははは、私は笑った。生きるか死ぬかの話をしているときに、漏らすか立つかの話はあまりに次元が違っていると思えたのだ。 漏れと萎えマフラーのごとく靡かせて三つ子の魂冥途の飛脚 じゃあ切りますか、と私は言った。どれくらい仕事を休むことになりますかね?
【感想】
★★★☆☆
私も海外在住で入院したことがあるので、なんかその時の経験を思い出しながら読みました。
私の場合、絶対安静時は尿カテーテルではなく、お尻の下にちりとりのようなものを敷かれ、これにしてね。と言われました。いやー、全然できない。日本で入院してた時は尿カテーテルがいつの間にか刺さってましたが、そっちのが楽でした。
最初の方は文章になれなくて読みにくかったんですが、なれたらサクサク読めます。
途中途中に歌や詩がなどが挟まれていて、面白いです。
全体的には面白いんですが、なんていうか、プチ浮気みたいな、妻子いるのに女の人誘ったりするところは、嫌悪感が湧きました。私が女だからかもしれませんが。