【いい意味で裏切られた結末】烏に単は似合わない
著者 阿部 智里
【内容】
史上最年少松本清張賞受賞作
人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界「山内」ではじまった世継ぎの后選び。有力貴族の姫君四人の壮大なバトルの果て……。史上最年少の松本清張賞受賞作品。解説・東えりか
松本清張賞を最年少で受賞、そのスケール感と異世界を綿密に組み上げる想像力で選考委員を驚かせた期待のデビュー作。壮大な世界観と時代設定に支えられた時代ファンタジーをご堪能あれ。
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。峻嶮な岩山に贅を尽くして建てられた館、馬ならぬ大烏に曳かれて車は空を飛び、四季折々の花鳥風月よりなお美しい衣裳をまとう。そんな美しく華やかな宮廷生活の水面下で若宮の来訪を妨害し、后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか? 若宮に選ばれるのはいったい誰なのか? あふれだすイマジネーションと表現力、そして予想を覆す意外な結末。
最後まで息をつかせない極上のエンタテイメント!
【感想】
★★★★★
私、ファンタジー系苦手なんですよ。でも、この本はずっと気になっていて、夏にとりあえず3冊購入してきました。
最初の方はなんか、ファンタジーそのもの+後宮での女のバトルみたいな感じで、このままだとまあ、普通の本だな、って思っていました。そしてなかなか若宮出てこないなみたいな。メインはあせびで、あせびのシンデレラストーリー系かと思っていたら。
若宮が出てきた後半、全部ひっくり返りました!
最初の方、若宮なんだよ今更出てきてこんな感じはないわーって思ってましたが、読んでいくうちにえっえっ!みたいになりました。
いやー天然女が一番怖い。
あとがきにも書いてありましたが、こういう書き出しからあんな展開になるとは想像もつかない。
アマゾンのレビューは結構悪いです。酷評されてます。確かに登場人物に感情移入できないのは確かだし、デビュー作らしくキャラクターにもぶれがあるのも確か。
でも、でも、私は面白かったです。若干20歳の人が書いていてこういうストーリー展開なら、まだまだ成長していくし、先が楽しめそうと思います。