【韓国の真実】82年生まれ、キム・ジヨン
著者 チョ・ナムジュ
【内容】
女性が人生で直面する差別の現実を正面から描く!
韓国で絶大な共感を得て100万部、 社会現象となった異例の大ベストセラー小説、ついに日本上陸。
ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。誕生から学生時代、就職、結婚、育児……彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。
【感想】
★★★★★
82年生まれ、私とほぼ同じなんですけど。
同じくらいに生まれて、あんな感じで家族の中で性差別とか、社会で明らかな性差別を受けるとか、今の韓国の様子や流行ったドラマからしてとっても意外でした。最初読み始めたとき、「あれ?中国の話だっけ?」とか「北朝鮮だっけ?」とか思いました。
道を歩けばセクハラに会う、就職試験を受ければ「もしお酒の席で取引先の相手がセクハラをしてきたらどうする?」なんていう質問を受ける。家族の中でも男性優位。産休育休はほとんどとれない。
彼女と同じ年代だからこそ日本とはっきり比べることができる。もちろん日本の社会にもやはり、性差別っていうのはある。女性の総理大臣もまだ出ていないし、産休育休も他の国と比べて取りにくかったりとかもある。私も就職の面接のときに「結婚したら仕事をどうするか」という質問を最終面接で女性面接官から受けた。
でも、ここまで明らかな感じではない。「オルチャン」とかで有名になった韓国の女性たちも、こんな目に合ったりしたのだろうか。
最後の一行。ここまで語ってきた精神科医の言葉。「自分も性差別を受けたりした妻を持つから彼女の気持ちがよくわかる」といってからの最後の言葉。やはり韓国での性差別はまだまだ続いているんだなあと印象的でした。