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【とても美しく素敵な物語】とまり木

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著者 周防 柳

【内容】

いじめ、虐待、セクハラ。

報われない恋、傷つけられたプライド、

気が遠くなるほどの孤独、かなわない夢──

幼い頃に両親を亡くし、親戚に引き取られた青山伊津子。自分の居場所を必死で見つけて生きる伊津子だったが、行く先々で不幸な出来事に見舞われてします。同じく幸せに見放された少女・小林美羽。二人は自らの命を絶つことを思い立つ。交わってはいけないはずの二人の人生は、この世でもあの世でもない「ある場所」で交差する。

一度は諦めた「生きる」ということ。

不思議な場所との出会いを通じて、もう一度「生きる」ことにした二人の人生は……。

【感想】

★★★★☆

凝り固まった心がほぐれていくようなほどけていくようなお話でした。


IとMがいるのは、不思議な遊園地のある、穏やかな場所。
だいたいのものはコンビニでそろう、不思議な場所で生活している。
そして自分の素性などは何も覚えていないし、そこで会った出来事もやがて忘れていく。

 

読み進めていくうちに、I(青山伊津子)とM(小林美羽)のなかなかしんどい境遇を知る。
二人はそれぞれ絶望し、この、おだやかな遊園地のある場所にたどり着き、友人になり楽しく過ごしていく。

しかし、この二人の関係は、現実ではなかなか複雑で、まさかここで仲良くなるようなものではなかった。

でも、現実でのお互いへの思いなどを知っていくうちに、どうなるんだろうとドキドキしながらも、うまくいってほしいなあと思わずにはいられなかった。

 

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」もテーマになっていて、とても美しく素敵な物語でした。


コーヒーを片手にゆっくり落ち着いて読みたい一冊です。

 

 

とまり木

とまり木