【皇室女子の苦しみは現代に生きる女性の苦しみとリンクしている】皇室女子
著者 香山リカ
【内容】
本書は、美智子さま、雅子さま、紀子さま、愛子さま、眞子さま、佳子さまの6人の皇室女性を通して見えてくる、日本の多くの女性たちが抱える共通の課題・問題を論じます。
働き方、婚約、結婚、出産、子育て、ジェネレーション・ギャップ等々、皇室のやんごとない女性たちも、日本の多くの女性たちと同じ問題を抱え、それを克服しながら、平成という世を渡ってきました。いわば皇室は私たちを写す〝鏡″でした。
①「〈努力ではどうにもならないことがある〉と気づけない」
②「やっぱり〈婚家より実家が頼り〉に思える」
③「〈私事より義務優先〉を次の世代にも求めてしまう」
④「〈子どもはまだ?〉がタブーでない社会に日々傷つく」
⑤「自分の〈痩せすぎ〉を自覚できない」
⑥「〈ふつうの生活〉が一番むずかしい」
⑦「〈子どもが自分の思い通りにならない〉ことに愕然とする」……等々、
男女雇用機会均等法施行以後、日本の多くの女性たちが当人として、また家族としてぶち当たってきたさまざまな心の問題を、〝写し鏡″としての皇室女性たちのお姿を通して、精神科医の香山リカ氏が鮮やかに切り取ります。
【感想】
★★★★★
皇室での話は遠い話と思っていましたが、この本を読んでみて、今を生きる女性の悩みってやっぱり同じなんだなあと共感しました。
もちろん雅子様のようにすばらしい経歴を持っているわけではないですが、昔から私も努力して大抵のものは勝ち取ってきていたので、大人になってから「努力ではどうにもできないこと」に対面し、かなり悩みました。今もやっぱり悩んでいますが、雅子様のように周囲からのプレッシャーはそこまでないため、気楽なのかもしれませんが、その分「自分で自分にプレッシャーをかけてしまう」ということがあります。
愛子様にも並々ならぬ苦労があるんだと思います。お母様はとても優秀な人で、しかし適応障害で色々世間から言われていたり、自分に関しても週刊誌でいろいろなことを言われてしまう。小さいのにいろいろなプレッシャーなどを背負ってこられたんだなと思いました。
美智子様に関しても、テレビで拝見する限りでは聡明なおばあちゃまという感じですが、彼女にも彼女なりの苦労があったんだと思い、すごいなあと思います。
そして紀子様。彼女に関しては順風満帆だなとずっと思っていたんですがここにきての苦労。眞子様の結婚報道。正直秋篠宮様と紀子様のお気持ちは私もわかります。
「若いんだから一度や二度失敗したって」とは思いますが、結婚の際に出るお金があります。なので離婚やうまくいかなかったときなど、そういった普通の家庭にはない悩みもたくさんあるんだと思います。
たくさんの女性が抱えている悩みを、さらに大きくして縮図にしたものが、皇室女子の苦悩。今を生きる現代女性に是非読んでもらいたい一冊です。