【青春ほろにが系やり直しストーリー】イシイカナコが笑うなら
著者 額賀澪
【内容】
その幽霊は「やり直し」の時間をくれる。
どの生徒にも慕われるスーパー教師の菅野。しかし、内心にはいつも虚しさが渦巻いていた。そんな彼の前にかつての同級生の幽霊、イシイカナコが現れる。「ねえ、イシイカナコの“人生やり直し事業”に参加しない?」――思わず飛びついた菅野は、17歳の自分が生きる時間軸へと飛ばされた。しかし、全くの他人として。そして同じクラスには生前の石井加奈子がおり、幽霊のカナコには何やら思惑があるようで……。『タスキメシ』の著者が贈る 大人のためのゴースト・ストーリー!!
【感想】
★★★☆☆
切なくてほろ苦い、青春やり直しストーリー。
怪談として受け継がれる「イシイカナコ」と同級生だった主人公の菅野はふとした拍子から「イシイカナコ」と一緒に高校3年に戻り、人生やり直しをすることに!
やり直しとはいえなかなか自分の体に戻れずやきもきする菅野。
でも第三者の立場から自分を見つめなおすことによって、自分の無力さ、情けなさ、良さなどに気付く。
タイムスリップなのになぜか違う人に入り込むという設定がなかなか面白くもあり、そして自分のことが他人からの視点で見えてしまうという気恥ずかしさや苛立ちなどがうまく描かれていたと思う。
自分があの頃に戻って、しかも他人に入ってたら絶対に恥ずかしさで爆発すると思う。
その時の私は私で、一生懸命生きていたんだけれど。