【彼は、七回死ぬ】時を壊した彼女
著者 古野まほろ
【内容】
何度、何度、何度くり返しても
彼の死だけが変わらない
星夜の学校を襲った悲劇と、くり返す夏の日。
命がけの青春を、私達は生きている。
運命と戦う高校生達のタイムリープ×本格ミステリ
☆☆☆
7月7日。部活仲間5人のささやかな七夕祭りを、謎の爆発が襲った。
その爆発は、部長を激しく吹き飛ばし殺害してしまう。
原因は、未来からきた少女2人。 彼女らはタイムマシンをハイジャックした挙げ句、爆発させてしまったのだ。
部長の理不尽な死をなかったことにすべく、彼らは協力して過去を書き換えようとする。
だが、時を繰り返すたび、なぜか犠牲者は増えていってしまい──
遡れるのは計7回。無限に思える選択肢。
繰り返す青春の一日は、命がけだ。
【感想】
★★★★☆
初読み作家さんです。
SF×ミステリー×青春の盛りだくさんストーリー。
正直、最初のタイムマシンやら脳内物質の説明やらが難解すぎて、しかも500ページ強を二段構えで、何度読むのをやめてしまおうと思ったか。
しかしその説明をこらえてこらえて、やっとタイムリープがはじまります。
要は、未来からやってきた少女二人によって吹奏楽部の仲間、真太が屋上から転落死してしまったのでそれを救おうと奮闘するお話です。
7回きっかりつかって失敗しないようにやっていくのだけど、何度やっても奴は死ぬ。それどころかもらい事故にあってほかの仲間も死んだり、なんなら100人強死ぬパターンまで出てくる。
最終的に全員生きてヤッホーな感じの終わり方かと思ったら実はミステリー仕立てで、犯人探しが始まる。
分厚いだけあって読みごたえも抜群。
秋の夜長にぴったり。