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【王や王の周りの物たちの苦悩】華胥の幽夢

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著者 小野不由美

【内容】

王は夢を叶えてくれると信じた。だが。 才国(さいこく)の宝重である華胥華朶(かしょかだ)を枕辺に眠れば、理想の国を夢に見せてくれるという。しかし、采麟(さいりん)が病に伏すいま、麒麟が斃(たお)れることは国の終焉を意味する国の命運は──「華胥」。雪深い戴国(たいこく)の王が、麒麟の泰麒(たいき)を旅立たせ、見せた世界は──「冬栄」。そして、景王(けいおう)陽子(ようこ)が親友楽俊(らくしゅん)への手紙に認(したた)めた希(ねが)いとは──「書簡」。王たちの理想と葛藤を描く全5編。

 

【感想】

★★★★★

こちらも短編集。

王や王の周りの物たちの苦悩やそれぞれの王のものの考え方の違いに、この物語の奥深さを感じることができた。キャラクターの作りこみがもうすごい。

 

・「冬栄」

泰麒が自分はお役に立てないと悩む話。漣国の王様の「役割」と「仕事」についての考え方が非常に面白かった。

・「乗月」

芳王を弑した月渓の苦悩の話。祥瓊がその後珠晶に罪を償おうとするエピソードはとてもよかったし、珠晶の処遇も珠晶らしくてとてもよかった。

・「書簡」

面白い鳥ー!鳥でやりとりする書簡の話。

・「華胥」

なかなか重い話だった。が、これはまた間違ったことについてどのように軌道修正するべきなのか、周りはどうするべきなのか、なかなか考えさせられる話でした。現在ある俳優さんの不倫報道が毎日されていますが、それについても通じる話なのではと思います。

・「帰山」

おたがいにその正体を知らないまま会話する奏国太子「利広」と延王「尚隆」の会話。ここで『図南の翼』にも出てきた利広が出てきてうれしい。ここで利広が延王についての話をするのだが、何も残さず思いついたときに滅ぼすと言った時に「ああ、六太が言ってたことはこういうことだったのかな」と納得がいった。確かに尚隆ならあり得る。しかも最後に尚隆が碁の話をした時には少しヒヤッとした。

 

 

華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫)

華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫)

  • 作者:小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/12/24
  • メディア: 文庫