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【魔性の子の裏側、戴国編序章】黄昏の岸 暁の天

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著者 小野不由美

【内容】

王と麒麟が還らぬ国。その命運は!? 驍宗(ぎようそう)が玉座に就いて半年、戴国(たいこく)は疾風の勢いで再興に向かった。しかし、文州(ぶんしゆう)の反乱鎮圧に赴(おもむ)いたまま王は戻らず。ようやく届いた悲報に衝撃を受けた泰麒(たいき)もまた忽然(こつぜん)と姿を消した。王と麒麟を失い荒廃する国を案じる女将軍は、援護を求めて慶国を訪れるのだが、王が国境を越えれば天の摂理に触れる世界──景王陽子が希望に導くことはできるのか。

 

【感想】

★★★★★

今までちょこちょこ話には出てきてましたが、戴国での話。驍宗が行方不明、死亡説そして泰麒の行方不明説。魔性の子の裏側でこちらの世界ではこんな風に動いていたのかと思う話でした。間が空いていたらここの前で魔性の子を読み返してもいいですね。

 

さて、泰麒の行方は読者にはわかっています。蓬莱で記憶を失くして高校生活を送る高里要ですね。高里要の身の回りで起こっていた不思議な出来事は、なるほど、今読めばすべてわかる、こういうことだったのかー!ここまで長いのにきちんと考えられているなあと思います。

 

そして驍宗ですがあいかわらずこの巻では様子はわかりません。

でも景王のもとに逃げ込んできた李斎によって、戴国の事情が少しずつ分かってきます。この前で読んだ『華胥の幽夢』の「冬栄」の裏側ではこんな大変なことが起きていたんですね。

 

何とか救ってあげたい景王、そしてそれに協力するほかの国の王や麒麟たち。そしてここで少しずつ明らかになる天の存在。十二国記の世界は飽きることなく読み続けることができます。

 

新潮文庫の完全版では少し挿絵が挟んであるのですが、個人的にこの巻で出てきた範王、イラストで出てきてほしかった!この王様も面白い!

 

そして物語はいよいよクライマックス。『白銀の墟 玄の月』に進んでいきます。早く読んでしまいたいような、でももったいないような。ここまで1週間で読んでしまったのでゆっくりじっくり読んでいきたいなと思っています。

 

 

黄昏の岸 暁の天 十二国記 8 (新潮文庫)

黄昏の岸 暁の天 十二国記 8 (新潮文庫)

  • 作者:小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/03/28
  • メディア: 文庫