【現役司法修習生の方が書く法廷ミステリー】 法廷遊戯
著者 五十嵐 律人
【内容】
第62回メフィスト賞受賞作!
法律家を志した三人の若者。 一人は弁護士になり、一人は被告人になり、一人は命を失った――謎だけを残して。
法曹の道を目指してロースクールに通う、 久我清義(くがきよよし)と織本美鈴(おりもとみれい)。
二人の“過去”を告発する差出人不明の手紙をきっかけに、 彼らの周辺で不可解な事件が続く。
清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨(ゆうきかおる)。
真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して――?
2020年3月、エンタメ界に激震をもたらす長編法廷ミステリー 。
【感想】
★★★★☆
最初の方は一体どういう展開になっていくんだろうと淡々と読み進めていましたが、
馨が死んでからの怒涛の展開で急に面白くなってから一気読みしました。
現役司法修習生の方の作品だそうで、まだ新人さんとは思えない筆致で、どんどん文章に飲まれていきました。
無辜ゲームでいつも審判をする天才の馨。そして謎のイヤガラセ。
ある日馨がナイフで胸を刺されて死亡。そこにいたのは返り血を浴びた美鈴。
馨はなぜ亡くなったのか、本当に美鈴が殺したのか。
馨の思惑が全然読めなくて、美鈴もなかなか真実を明かしてくれない。
ただひたすら「無辜の制裁」という言葉だけが頭に残って、最後の展開に「なるほど、そういうことなのか」と納得。
さらにそれだけでは終わらない展開に非常に満足した一冊でした。