【女性初の潜水士の熱く苦しい物語】海蝶
著者 吉川英梨
【内容】
日本初の女性海保潜水士、勇気と感動の物語。
これは身震いするほどの一冊だ。
前代未聞の感動がここにある!
―ブックジャーナリスト内田剛氏【NPO本屋大賞実行委員会理事】
女性初の潜水士『海蝶』として注目を集める横浜海上保安部所属、忍海愛。兄の仁は特殊救難隊潜水士、父の正義も優秀な海保潜水士で血統は折り紙付きだ。しかし、愛は現場には気を使わせるお荷物。母を東日本大震災の津波で失った愛は覚悟して海に対峙する。待ち受けていたのは予想もできない難事件だった。
足かけ2年に渡る海上保安庁取材で見聞きした海上保安官の精神『正義仁愛』が、この本のテーマであり、矜持≪プライド≫です。ご期待ください。―吉川英梨
【感想】
★★★★★
数年前「海猿」が大ヒットした。
この物語の主人公は女性初の潜水士、海猿ではなく海蝶の愛。
父も兄も同じ海保潜水士だけれど、現在は家族ばらばらになっている状態。
その理由は2011年の東日本大震災。その時に母が行方不明になったことから父と兄の関係が悪くなっていた。そして、愛が潜水士になったことについては二人とも反対している。愛も頑張るけれど最初の潜水で大失敗を起こしてしまう。
東日本大震災の描写はその当時の映像を思い出しながら、きっとこんな人もいたんだろうなと静かに涙を流しながら読んだ。終始胸の詰まるような思いをしながら読んだ。
クライマックス、家族が一つになった時、大号泣。とても感動しました。
ミステリーとしても面白かったです。
今年読んだ中でもかなりのヒットだった作品です。めっちゃおすすめ。