【読んで暖かい気持ちになれるミステリー】猫弁と星の王子
著者 大山淳子
【内容】
婚約したものの、事情により、まだ結婚には至っていない百瀬と亜子。2人が喫茶店にいるとき、「ちょっと見ててもらえますか」と、百瀬の腕に渡されたのは、赤ん坊だった……!
一方、上京してきた正水直は、入学金詐欺に遭い、途方に暮れていた。しかし人を助けたことがきっかけで春美と出会い、百瀬のもとへたどり着く。
さらに、「死なない猫」の相談まで舞い込み、百瀬は今日も奔走中、事務所は一層賑やかに!
果たして、百瀬と亜子の関係はどうなる――!?
【感想】
★★★★★
この前に読んだのが「代償」でちょっと苦しいものだったのでとてもいい気持ちの切り替え本になりました。
猫弁シリーズ第6弾。5冊は文庫で持っていますのでこれも文庫で出たら絶対買う一冊。猫好きには猫が出てくるのでおすすめなシリーズ。全集をほんとは買いたかったんですが新刊で手に入らなくて諦めて文庫に。でも新シリーズがでたのでかえってよかったかも!
相変わらずの猫弁百瀬と亜子さんで、ふたりの関係にとてもほっこりとさせられます。
作品中に出てくる古きよきみかんの缶詰めチョコパフェ、私も食べたくなりました。
大学で入学金詐欺にあってしまった直ちゃんにはとても心配しましたが、結果オーライでとても良かったです。こんな高校生をだますなんてひどい!
「寂しさ」や「親子関係」についてとても考えさせられました。百瀬も複雑な生い立ちを抱えていますが、彼の考え方についてはほんと尊敬。
相手の立場になって気持ちを考える。シンプルなことですが大切です。
とてもいろんなことが詰まっている一冊でした。
ミステリーだけど心がほっこりする。とてもやさしいシリーズです。