【ヤングケアラーについて知ってほしい】with you
あなたは“ヤングケアラー”と呼ばれる子どもたちを知っていますか?
中学三年生の悠人は、高校受験を控えている。優秀な兄・直人や、家族を置いて家を出ていった父親、悠人でなく直人に大きな期待をかける母親、といった家族のなかで、自分の存在意義を見出せない悠人は、日課にしていたランニングの途中、公園のブランコに座る少女・朱音と出会う。どこか影のある表情の朱音に、次第に惹かれていく悠人。朱音が、病気の母親の介護や幼い妹の世話、家事をひとりで背負う“ヤングケアラー”であることを知った悠人は、彼女の力になりたいと考えるようになるが……
母親の介護に携わる“ヤングケアラー”の少女・朱音に恋をした中学生・悠人の物語を通して、「誰かを大切に思うこと、社会へ目をむける機会」を読者に提供する児童文学です。
【感想】
★★★★★
本屋さんコーナーの「児童書」や「福祉」コーナーに是非置いてほしい本だと思いました。あと学校の図書館にも入れてほしい。これは小学校高学年くらいから大人まで、すべての人に読んでもらいたいです。
恥ずかしながら「ヤングケアラー」という言葉については私は知りませんでした。
でもニュースで以前もう大きくなってはいましたが上の娘が親の産んだ子供(兄弟がたくさんいる家庭)で家事や育児を任されて、負担がひどく兄弟を殺してしまったという記事を見ました。あと、孫が祖母の介護を任されて祖母を殺害してしまった記事もありました。事件になった時は未成年ではなかったかもしれませんが、いつから介護をしていたのかはわかりません。
超高齢化社会なので、どうしても高齢者が増え、老々介護もでてきています。
そして未成年者が介護をしたり、親が病気で家事をしたりなどもあるでしょう。
未成年者は行政のヘルプを知りません。だってそんなこと学校で勉強しないし。
だから学校の「道徳」などの時間で「ヤングケアラー」について取り扱ったりした来意かなと思います。
この物語では悠人の母親が朱音のいいアドバイザーになってくれました。でもそんな人なかなかいません。福祉に詳しい人なんて、私の身近にもいません。私も知りません。
なので、この本を見て非常に勉強になりました。