【心えぐられる】 ドライブインまほろば
著者 遠田潤子
【内容】
生きるのに理由なんかいらへん。
誰の許可もいらへんから――
幼い娘を亡くした女、義父を殺めた少年、親に捨てられた男。
もし、十年に一度現れる“奇跡の池”を見ることができたなら……。
家族の崩壊と人間の再生を描き切る感動長編、待望の文庫化!
#あらすじ
山深い秘境を走る旧道沿いにぽつんと佇む「ドライブインまほろば」。店主の比奈子が一人で切り盛りする寂れた食堂に、突然男の子が幼い妹を連れて現われた。憂と名乗る少年は「夏休みが終わるまでここに置いてください」と必死に懇願する。困惑する比奈子だが、事故で亡くした愛娘の記憶が蘇り、逡巡しながらも二人を受け入れてしまう。その夜更け、比奈子は月明かりの下で激しく震え慟哭する憂に気づいた。憂は、義父を殺し逃げてきたことを告白し――。「生きる意味」を問い、過酷な人生に光を灯す感動長編。
【感想】
★★★★☆
すごく重く辛い話で読んでいるのがとてもきつかった。
虐待をする父親と離婚し、再婚後義理の父親からも虐待を受ける少年。
あまりにも辛すぎる現実が、少年を凶行に走らせてしまった。
少年は妹を連れ「十年池」へと向かう。 途中でお腹がすいてよった「ドライブインまほろば」のオーナーと出会うがそのオーナーも辛い過去を背負っていた。登場人物全員がしんどい。
でもその中でも嫌悪感を抱いてしまうのは芽衣という少年の母親。 育児放棄して男に依存してしまうこの母親も、辛い過去を背負っていたが、それでも彼女のしていることは許されない。
けれど最後は希望が持てる終わり方だったので、そこは救われたかな。