【震災を思い出した】すずめの戸締まり
著者 新海誠
【内容】
扉の向こうにはすべての時間があった。新海誠自らが綴る原作小説!
九州の静かな港町で叔母と暮らす17歳の少女、岩戸鈴芽。
ある日の登校中、美しい青年とすれ違った鈴芽は、「扉を探してるんだ」という彼を追って、山中の廃墟へと辿りつく。
しかしそこにあったのは、崩壊から取り残されたように、ぽつんとたたずむ古ぼけた白い扉だけ。
何かに引き寄せられるように、鈴芽はその扉に手を伸ばすが……。
やがて、日本各地で次々に開き始める扉。
その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。
―――星と、夕陽と、朝の空と。
迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような、空があった―――
不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。
新海誠監督が自ら執筆した、原作小説!
【感想】
★★★★★
震災のとき、ちょうどうちに友達が泊まりに来ていた。実家が横浜の子だ。
スマホのニュース速報で日本で大きな地震があったことを知った。テレビを付けてみると何か黒いものが押し寄せてきている映像が映っていた。私たちはすぐにそれが何なのかわからなかった。
その後、東京の方でも被害がすごいということで、うちの電話を貸して(日本への通話は無料なのだ)彼女の実家にかけさせた。でもつながらなかった。ラインを送っても返事がなかなか来ない。彼女はその後すぐ自分のアパートに帰った。
うちの実家は中部なので被害はなかったものの、ニュースをずっと見続けていた。黒いものの正体は津波で、原子力発電所が大変な事態に陥った。
今でもふとした時にYoutubeなどで当時の映像を見たりする。
一番印象に残ったのは、何かのニュース番組で、お母さんの乗った車が見つかったというのを追いかける映像だった。まだまだ小さい甥っ子に「覚悟しなさい」というおばさんが、とても印象的だった。あんな年齢で覚悟なんてできない。
この物語は映画でも、地震の警報が鳴るので注意喚起があるようですが、あの時のレクイエムのようなものだった。
私たちは生きていかなくてはならない。