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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【明日がいい日でありますように】 川のほとりに立つ者は

著者 寺地はるな

【内容】

『ガラスの海を渡る舟』『カレーの時間』など、今大注目の著者が描く意欲作!

新型ウイルスが広まった2020年の夏。

彼の「隠し事」が、わたしの世界を大きく変えていく――。

カフェの店長を務める29歳の清瀬は、恋人の松木とすれ違いが続いている。 原因は、彼の頑なな「隠し事」のせいだ。 そんなある日、松木が怪我をして意識を失い、病院に運ばれたという連絡を受ける。 意識の回復を待つ間、清瀬は彼の部屋で3冊のノートを見つけた。 そこにあったのは、子供のような拙い文字と、無数の手紙の下書きたち。 清瀬は、松木とのすれ違いの〝本当の理由〟を知ることになり……。
「正しさ」にかき消されゆく声を丁寧に紡ぎ、誰かと共に生きる痛みとその先の希望を描いた、あの夏の物語。

 

【感想】

★★★★★

清瀬みたいな人が多いと思うんです。圧倒的に。

私も30代前半あたりまで、そうだったと思います。


NetGalleyでたくさんの本を読んできて、やっと最近かなり学べてきたかなと思います。

自分が選ぶ本だけではおそらく学びってそこまでなかったかも。

いろんな本を読みだすようになり、読書傾向も少し変わってきたし、いろいろなことに関する考え方が変わってきたような気がします。

 

「生きづらさ」を抱えている人はおもったよりたくさんいると思います。

発達障害だけでなく、立場によっても生きづらさがあったりします。

このお話は清瀬がコロナ禍で自然消滅状態の恋人・松木に再び再会(とは言え彼は昏睡状態)したことにより、彼の考え方や清瀬が今まで気が付かなかったことに気が付いていくお話。無知は知らず知らずのうちに人を傷つけてしまう。それに気づくことができるお話ですね。

 

 

この本に出てきた言葉。

 

「明日がいい日でありますように」

 

私も海外に住んでいるので言うんですよ。ほぼ毎日。Bonne journée!って。

けれど、もはや習慣化、挨拶化していてただの「センテンス」と化していました。

この本を読んでから、いつも何気なく言うその言葉に、意味ができました。

 

今日行ったスーパーのレジの人に言われました。

「Excellent Journée!(素晴らしい一日でありますように)」

 

なんだか気分があがりました。

すべての人の明日が素晴らしい日でありますように!