【心にしみるミステリー】神様の思惑
著者 黒田研二
【内容】
「僕を殺してくれる?」
あのとき、そう願った少年。
二十年ぶりの邂逅によって、謎は解き明かされる。
隠された愛が涙を誘うミステリ集!
美しい伏線、感涙のミステリ。
『神様の思惑』は、令和になって奇跡的に発掘されたタイムカプセル
――解説(ミステリ評論家・大森滋樹)より
技巧ミステリの名手による、深い家族愛をめぐる五つの物語。
遊園地で休憩中の若い父親は、清掃員の男性に頼まれ、迷子の親捜しをする。そこで、清掃員がかつて近所の公園で寝泊まりしていた「カミさん」だったことに気づく。彼は少年時代、「カミさん」に自分を『殺してくれ』と頼んだことを思い出す。(表題作「神様の思惑」)
隠された愛が涙を誘うミステリ短編集(『家族パズル』改題)。
【感想】
★★★★★
帯を見てちょっと不穏な雰囲気を感じた第一印象。帯の表題作は実はものすごい思いが溶け込んでいたいい作品だった。
その他にも好きだったのは「家族の序列」お父さんと犬の話。どのお話も一瞬なんか不穏さを感じるのだけれど、実はあったかいお話で、後味がとてもいい作品だった。
こういった心にしみる作品、今の殺伐とした世の中の救いになるなあと思いました。
ミステリーが好きだけど殺人とかじゃなく心にしみるような作品を読んでみたいならお勧めです!