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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【学校の働き方改革】先生が終わらない

著者 額賀 澪

【内容】

週6日の練習で、目指せ全国大会!
――部活動って、そんなに頑張らないとダメですか?

部活動の顧問≒タダ働き、にもかかわらず、
学校の先生は「子供達のために」今日も残業地獄。
中高生とその親世代から、いま最も信頼される著者が、
教育現場の理想と現実に迫る、学校変革小説!

都内の公立中学校で、ひとりの音楽教師が過労死した。
働き方改革の命を受け、教育庁から赴任した新校長が掲げたのは、
「定時帰り」「部活動廃止」「完全週休二日制」。
同僚の訃報に「次は私かも」と怯える、英語教師の亜梨子。
勉強で負けても、部活では私立中に勝ちたいバレー部部長の一花。
子供達の青春の場を守ろうと、使命感に駆られる保護者会会長の優佳。
それぞれの立場から「学校」のあるべき姿を見つめ直す、再生の物語。

 

【感想】

★★★★★

奇しくも私が住んでいるフランスという国で、高校生によるデモが起きた。

彼らの不満は、授業での拘束時間が長い(けれど中で数時間空くこともある)設備に対する不満(トイレや食堂)、教育方法などいろいろ。

フランスのトイレは汚い。便座もない。

しかしこのような暴動をを見て思う。

設備を整えても壊すでしょ?と。

昔から思うけれど、日本のように自分たちで掃除をするというのを学校のカリキュラムに入れたらよいのにと思う。設備が悪いのは生徒たちが粗末に扱うからだと思う。

確かに学校の拘束時間が長いのはわかる。日本だともう少し短いところがほとんどだと思う。でもずっと授業があるわけではない、中に数コマ空き時間があったりする。

それについてはうまく組合すことができないのだろうかと私も思う。普通に時間の無題だと私も思う。

 

 

私は九州の田舎の進学校と呼ばれる高校出身で、朝7時40分から夕方遅くまで授業があった。しかも「特クラ」と呼ばれるクラスに高2の時から入ったので(成績で上の方のクラス)ほかのクラスより駿台ハイレベル模試やらなんやらで授業数が多かった。

もちろん田舎なので朝7時早めに着く電車なんてない。自転車で1時間かけて通う。

さらに部活も入っていた。中学の時の部活とは全然違ってものすごく熱中した。帰りは21時とかだった。毎日の宿題はやるだけで数時間かかる上に、毎日先生から家で最低5時間が勉強しろと言われていた。できるわけがなかった。宿題だけで精一杯。

当時の田舎には塾なんてほぼなかった。なので学校が全てだった。

先生は都会の学校に負けないように生徒をいい大学に入れないといけない。

一体どんな生活を送っていたのだろう。今考えてもぞっとする。

でもそんな高校時代だったので、今回の高校生のデモについてはそんな文句たれるほどでもないだろうと思ってしまった。

 

中学の時は部活に絶対入らないといけなかった。

中学の部活は友達と一緒にやりたいからと適当に入ったが、ぜんそく持ちの私には毎日3キロ走った後筋トレメニューをこなし、その後部活動にはいるというルーティーンがしんどかった。おまけに先輩後輩の中も悪く、すごく辞めたかった。が、やめられなかった。適当に目立たないようにやっていた。毎日練習のほか、土日も部活があって、家族とも出かけられないし、嫌だったという記憶がある。

 

なので、今回の本にあるような、「部活動を減らす」は中学の時の私が聞いたら大喜びする。部活は楽しめるレベルでいいのだ。

 

先生の働き方改革についても、支持したい。昔からやりがい搾取されすぎる。しかも責任が重すぎる。そんなんで先生になろうなんて言う人は出てこない。

 

しかも最近の保護者のクレームは理不尽なものも多い。私も教育関係の仕事をしているが、耳を疑うようなクレームを受けたこともある。しかも、しつこいのだ。ストレスで潰瘍になった。小中学校のクレーム対応はきっと大変なんだろうと本当に思う。

 

部活については地域のクラブチームと連携を組むのもいい。確かに、部活からプロになれるなんて野球選手くらいしか知らないのになぜ学校はあんなに部活に熱心なんだろう。外部からコーチを呼ぶのもいい。学費を無料にしているからお金がないということもあるだろうけど、学費を無料にする前にこういうところの改革をするべきだったのではないだろうか。と私は思った。

 

保護者にも大いに読んでもらいたい本だと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【絶望感に浸りたいならおすすめ!】アンダーウォール

著者 神津凛子

【内容】

生徒が教師を屠り、友が友を斬り裂く。

日本中を震撼させる究極のサイコホラー!

『スイート・マイホーム』の神津凛子が、あなたの理性を抉り取る!

生徒か教師か、だれが殺人鬼となったのか?

塀と堀に囲まれた学校は逃げ場のない監獄と化し、極限の殺し合いが始まる。

 

【あらすじ】

未曾有の感染症に日本中が震えるなか、長野県の名門全寮制高校・私立架純学園は「学園の完全封鎖」を実施する。外界から隔離され、感染ゼロを実現する理想の学園を実現させたカリス学園長の平等正文は拍手喝采を浴びた。だが、高潔な規律の裏側で、少年少女の心は密かに腐敗していた。野球部エースの精神崩壊、下級生への苛烈ないじめ、新任教師の禁断の恋……。出口を失った生徒と教師の「苛立ち」はいつしか「憎悪」へと変質し、狂気への扉が開く。いじめに遭った野球部一年生が学園を囲む堀で水死した事件をきっかけに理想郷は崩壊し、一夜の惨劇が始まる。

 

【感想】

★★★★★

すごい精神を持っていかれる本です。

夜に読み始めることはおすすめしません。

恐怖とアドレナリンで眠れなくなります。

そして途中からもう一気に駆け抜けてしまいたいという願望が出てしまうので途中で本を閉じることを許されません。

 

神津凛子さん、さすがですわ。

 

読んでいて小野不由美さんの『屍鬼』を思い出しました。

お話は全然違うのですが、バタバタと人が死んでいくんですよ。そう「推し」すらも。

登場人物がたくさんいると、「推し」って出てくるかと思います(私だけ?)。

今回も私の「推し」は死んでしまいました。

もう最後の方、ひたすら絶望ですよ。

これ何か救いとかあるの?ってなります。

 

簡単に言うとある生徒が自殺をして、それはいじめが原因だったのではないかと考えた父親が学校に侵入しいじめていたであろう生徒を狙うんですけど、不審者だらけなんですよ。誰も信じられないというか、だれを信じたらいいの?みたいな。

そこからはもう止まりません。本の中もえらいこっちゃになっていくし私のアドレナリンも出まくり。いや、今は夜なんですけど、今から睡眠モードになれるか心配です。

 

 

 

 

【最近の朝井リョウの本の中で一番好きだったかも】イン・ザ・メガチャーチ

著者 朝井リョウ

【内容】

☆2026年本屋大賞受賞☆

【第9回未来屋小説大賞】
【第2回あの本、読みました?大賞】

沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。
「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」

【感想】

★★★★★

最近、BTSのコンサート動画とかを観たんですよ。

そしたらファンがスケッチブックにBTSへのおかえりメッセージを書いていたりして。

そのファンの在り方というのが本当に最近はすごく『推しが健康で幸せでいてほしい』みたいな思いがすごく詰まってるんですよね。すごくいいなと思いました。

かといって、最近結婚した推しに対し「返金してほしい」「裏切られた」という思いを持つファンもいるわけですが。BTSのファンとかもメンバーが結婚したりしたらそういう風になったりするんですかね。

 

とにかく最近「推し活」がブームになっていて、それに対するお金の使い方もすごいですよね。経済回りまくってる。

 

「メガチャーチマーケティング」というのをこの本で初めて知りましたが、すごい。確かに最近の推し活と「宗教」は少し似ているような感じがある。

 

この中に出てくるアイドルが一人自殺してしまうんですけど、これを受けて「陰謀論」に発展していくさまもすごく素晴らしい。ちょうと私身近にこういう人がいるので解像度が高いというか、え、この人のことかなと思うくらいリアルでした。まあこういう方たちはみんな一字一句同じことを唱えているのでしょう。本当に隅から隅まで同じことを言っていたので面白かったです。

 

流行りのMBTI診断が取り入れてあるのもいいですね。すごく現在の文学って感じがしてます。まさしく令和の本っていう感じ。こないだ美容師さんにMBTI当てられて、ほんとにすごく流行ってるんだなと思いました(興味本位で以前やってみた)。

 

いずれにせよ、私は最近朝井リョウさんの中では一番好きでした。

ていうか帯にあるQRコード、読み取ってみたらものすごく面白かった。

朝井リョウさん何やってるの。細部まで面白すぎました!

これずっと見れるといいなあ。ずっと残しておいてほしい!たまに見たい。元気でる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【映画より原作派でした】流浪の月

著者 凪良ゆう

【内容】

2020年本屋大賞受賞作
愛ではない。けれどそばにいたい。
新しい人間関係への旅立ちを描いた、
息をのむ傑作小説。

 

最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに――。だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

 

【感想】

★★★★★

観終わった後、u-nextで映画も観たんです。

すずちゃんも、流星くんも、桃李くんもすごく良かった。多部未華子ちゃんは声や話し方が本当に素敵。

けれど、なんだろう、やっぱり映画の尺でこの物語を語り切るのは難しいのかなと思いました。

 

原作を読むと登場人物のキャラクターや心の機微がものすごくわかる。けれど映画だとちょっと描き切れなかったかなという感じです。あと原作は「その後」が描かれているのでラストの印象が全然変わります。

 

すずちゃん、可愛すぎるかなと思いましたがすごいですね。でももうちょっと更紗って自由な女の子なのでそれが若干出ていない感じがしました。思ったよりすごく良かったので『汝、星のごとく』も期待できそうです。横浜流星くんは怖さがすごく出ててすごく良かった。桃李くんは若干暗すぎないかなと思いました。もうちょっとニュートラルなイメージだったので。なんにせよ、映画は若干「暗め」

最後桃李くんが脱いで病気のことを更紗に打ち明けるシーン、原作にはないシーンでしたが「文はこんなことしないと思う」と思いました。あと文がなんで更紗と一緒に暮らしているのかとか若干映画だとわかりづらかった気がします。

 

あと、個人的に原作にあった、警察に「自分に乱暴したのは伯母の息子のほうだ」というシーンは映画にも欲しかった。

 

これも『汝、星のごとく』の先生と暁海みたいで、文と更紗の関係は「恋愛感情」ではない関係。でも一言では表せない関係。

 

原作を読むとこの関係性がすごくわかりやすく、すごく良かった。

なぜ世間は文のことを理解してくれないんだ、なぜ悪く言われなければいけないのか、私たちは「許してもらう」必要なんてないのに!という叫びがありありと伝わってきてすごくすごく素晴らしい物語でした。

 

凪良ゆうさんはこういった心情やキャラクターを描くのがすごくすごく上手な作家さんだなと大ファンになりました。言葉を尽くしてもこの物語の素晴らしさが伝えきれない。

 

 

流浪の月

流浪の月

  • 広瀬すず
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【続刊まで読んで最高のラスト】汝、星のごとく & 星を編む

著者 凪良ゆう

 

【内容】

『汝、星のごとく』

第20回本屋大賞受賞作!
シリーズ累計100万部突破!

あなたと生きる、その痛みごと。

著者2度目の本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』が3年の時を経てついに文庫化!同じ空の下であの星を見上げよう。そして、また出会おう。あまりに切ない運命を、繊細な心理描写で描いた著者最高傑作。


風光明媚な瀬戸内の島で育った暁海(あきみ)と母の恋愛に振り回され転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人が恋に落ちるのに時間はかからなかった。ときにすれ違い、ぶつかり、成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けた著者がおくる、あまりに切ない愛の物語【2023年本屋大賞受賞作】

『星を編む』

第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』では描ききれなかった3つの物語。

歩いていく。星を映す海のほうへ。

『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語

人は誰しも自分だけの一番星を持っている。

「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?
「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。
「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。

 

【感想】

★★★★★

『汝、星のごとく』は読んでいて大変苦しかったのですが、すごくすごく素晴らしい物語でした。

登場人物の気持ちや生き方がすごく繊細に描かれていました。

特に先生と暁海の関係、暁海と櫂の関係。それぞれ違ってすごくすごく良かったです。

それでも先生とその浮気相手の関係が気になったまま終わるんですね、この本は。

それを解決してくれたのが『星を編む』

これを一緒に買ってよかった!!

先生と暁海、その後の関係が本当に「これも愛なんだろうな」という感じで、すごくすごく良かった。

普通の「愛」とは違うかもしれない。けれどこれも愛。

現代の生き方としてこういうのもいいなあと思いました。

 

どうやらマンガも出ているようです。

映画化されるそうでそっちも観てみたいなと思いました。が、映画の数時間でこの物語がきちんと描かれるのか若干心配。

 

 

【元公安警察官による警察のお話】こちらはただの「落とし物係」です! 警察行政職員・音無遠子の流儀

著者 仁科 裕貴

【内容】

今日も警察署に届く 訳あり、いわくありの拾得物たち…

 

広島県警会計課で働く音無遠子のもとに、小さな仏像の落とし物が届く。仏像に触れた瞬間、遠子の脳裏にマンションから女性が落下するビジョンが…!彼女は、1年前に別の仏像を拾った直後に投身自殺をした女性で、なんと遠子の友人だった。

なぜ、この仏像から落下現場のビジョンが浮かんだのか。友人の死に疑問を持っていた遠子は独自で捜査に乗り出す。

落とし物の記憶を頼りに広島の街を縦横無尽に駆ける。

【感想】

★★★★

「ビジョン」とある通り、サイコメトリーものですが面白かったです。

この作家さんをXでフォローしているのですが、元警察官、しかも公安ということで気になってたんですよね。でも警察物がなく・・・。というわけで満を持しての警察モノ!ということで読んでみました。

 

初めて読んだ作家さんなのですが、なるほど、こういう感じの作風なのねということをまず思いました。確かになんかほかの著作のタイトルを見てもファンタジー物を書かれている方。うん、でもこの作品好きでした。

警察で働いているのに警察官でない人がいるなんて知らなかったし、へえと思うこともいろいろありました。

でもできればもっと公安的な、ご自身がされてきたお仕事のエピソード的なものも読んでみたいなと思いました。逆に「元公安」が書く公安物はリアルすぎてダメだったりするのかな?

 

 

 

 

【有名作家をつまみ食い】30の短編小説

 小説トリッパー編集部・編

【内容】

豪華30名の作家による、「小説TRIPPER」30周年を祝した"30"がテーマのアンソロジー。

青山美智子/朝井リョウ/朝比奈秋/伊坂幸太郎/一穂ミチ/江國香織/温又柔/加藤シゲアキ/河崎秋子/木爾チレン/九段理江/呉勝浩/小池真理子/小林早代子/佐原ひかり/鈴木結生/高山羽根子/田中慎弥/月村了衛/中村文則/西加奈子/町田そのこ/町屋良平/三浦しをん/宮内悠介/宮島未奈/山内マリコ/結城真一郎/吉田修一/米澤穂信

 

【感想】

★★★★★

欲張りすぎるラインナップ。

30にまつわる小説なのでどこかしらに30が入ってくるのだけれど、一番30の使い方が上手だなと思ったのは一穂ミチさんでした。

 

短いながらもどのお話も面白い。さすが豪華作家さん。

朝井リョウさんは間違いなく好きな感じだったし、伊坂幸太郎さんもさすがとしか思えない。読んだことのない作家さんも発見できてすごく豪華な一冊でした。

 

お話自体も短編で短いので移動中にサクッと読むにもよさそう。

 

 

こっちも読んでみたいですね。