著者 岩城けい
【内容】
第32回坪田譲治文学賞受賞後第1作!
期待の新鋭・岩城けいによるコミュニケーションをめぐる大冒険!
オーストラリアのローランド・ベイ・グラマー・スクールに通うショーンは、祖母の反対を押し切って日本の姉妹校のホームステイに参加していた。ショーンのステイ先は和菓子職人の家で、未知の経験がいっぱい! ステイ先のオトウサン・オカアサンも優しくて満ち足りた日々を送るショーンだけど、実は日本に来たのにはある目的があって……? 一方、引率として八年ぶりに故郷・日本へ帰ってきた中山光太郎は様子のおかしい女子生徒ハイリーのことが気がかりで――。
知らない国で、知らない人たちに囲まれて、ガイコクゴを話す。思い出が染みついている言葉は、絶対に、忘れない。はじめて日本にやってきた9人の子どもたちの、7日間の大冒険がはじまる!
【感想】
★★★★★
岩城けいさん、『さようなら、オレンジ』を読んだ時から大好きな作家さんの一人です。オーストラリア在住が長い作家さん、海外に住んでいる私はひたすら共感します。
今回の本は、「ちびっこ留学生、日本にプチ留学する」です。
まだ12歳とかのオーストラリア人が、親元を離れて日本に留学。ホームステイをしたり、京都観光したり、学校のアクティビティに参加したりと忙しい日々を送る中、驚きや喜びがあったり、葛藤があったり、いろいろなことに子供たちが直面します。
内容が本当にリアルで、絶対こういう家族いそうー。とか、給食あるあるだーとか、外国人あるあるとか、うんうん、そうだよねーなんて頷きながら読みました。
子供たちにも実はいろいろ事情があって、実は母親が日本人でずっと会っていないとか、養子だとかいろんなことを抱えていたり、思ったことをそのまま伝えてしまったらホストファミリーを傷つけてしまうかもなんて抱え込んでしまったり。
涙、涙で顔が水だらけになったり、こっちも喜んでしまってにまにましたりしながら本を読みました。
昔私も留学した際、ホストファミリーがすごく最高で(今でも交流アリ)、その時「私もホストファミリーになって外国人のお客様に日本の生活を教えたり、いろいろ連れて行ったりしてあげたいな」なんて思っていたのですが、まさかの海外生活になってしまったのでその夢もかなえられず・・・。
そんなことを思い出しました。
今平昌オリンピックが開幕しましたが、2020年は東京オリンピック。
外国からのお客様が増えるので、今からこの本をみんなに読んでもらって「外国人のお・も・て・な・し」について学んでもらいたいなと思います。