著者 榎田ユウリ
【内容】
古き良き伝統の国、麗虎国。美貌の宮廷神官・鶏冠は、王命を受け、「奇跡の少年」を探している。しかし候補の天青はとんでもない悪ガキ。この子が?と疑う鶏冠だが、その晩、天青ともども命を狙われ……。
※本書は、二〇〇七年十月、小社より刊行された角川ビーンズ文庫『宮廷神官物語 選ばれし瞳の少年』を改題し文庫化したものが底本です。
【感想】
★★★★★
11巻ほぼ一気に読みました。
ファンタジーが苦手だった私ですが、十二国記にハマってから中華ファンタジーや韓国系ファンタジーも行けるようになったみたいです。
この作品は韓国系ファンタジー。とはいえ着ているものだったり食べ物とかが韓国っぽい感じで韓国があんまりわからなくても十分ハマれる作品です。
この本は元々角川ビーンズ文庫というラノベ的なレーベルだったものを新たに文庫化したみたいですが、大正解!ていうか表紙絵が毎回楽しみでした。表紙絵が本当に素敵すぎる。挿絵もあったらいいのに!!と思いました。
物語のメインキャラは美貌の神官・鶏冠(けいかん・時々女装もします)、そして奇跡の慧眼児である天青(てんせい)という田舎育ちの少年、天青と同じ村に住んでいて一緒に都に来た曹鉄(そうてつ)、そして王子様の藍晶(らんしょう)、そして藍晶の姉、櫻嵐(おうらん)で、天青と鶏冠の関係、そして曹鉄と鶏冠の関係、そして櫻嵐と曹鉄の関係がもう尊すぎます。
田舎から天青を連れてくる鶏冠ですが、神官書生として勉強する天青は悪ガキでいろんなことをやらかしたり自由にふるまうので鶏冠も困ってしまうんですが、鶏冠の亡くした弟と重なり兄、いや母目線な感じで信じて見守る鶏冠がものすごく好きでした。
曹鉄と鶏冠もある騒動でちょっと関係が気まずくなったりするのですが仲直りにお粥食べさせたりしてるんですよ。私は何を見せられているんだろうと思いつつ表紙絵の麗しき二人で想像して楽しみました。なんとこの榎田ユウリさんはどうやらBL作家でもあるようです!なるほど!でもBLとかではないので普通にお楽しみいただけます。BL好きな人はもしかしたら違う楽しみ方をしているのかも?
物語のクライマックスあたりでちょっと短編も挟んだりして少し緊張感も薄れ和んだり、バランスの良い物語でした。ハラハラしたり泣けたりとても満足のシリーズです。
どうやら続編も出るとのことで今からとても楽しみです。
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