著者 上野歩
【内容】
神野キリ、20歳。夢は理容師になって、人気店を開くこと。
自分と父親を捨てて男と出ていった理容師の母親を見返すため、理容専門学校を卒業したキリ。千恵子が一人で切り盛りする理容店で修業することになるが、雑用ばかりの毎日。幼なじみの淳平は毎日のように実家に来るし、理容学校の同級生のアタルの存在も気になり始めて――。
衰退産業、オジサンが行く店だなんて言わせない。理容女子が床屋さん業界に革命を起こします!
【感想】
★★★★☆
読んでいてこちらもこざっぱりするような感じを覚えました。
今まで足を踏み入れたことのない場所、理容室。
小さいころからおしゃれに切ってもらうんだったら美容室、伯父さんが行くのは理容室、なんてイメージを持っていました。
主人公キリのカット技術問題、母親との確執、アタルとの恋、お店を経営する難しさ。盛りだくさんで読みごたえもありました。そしてカット問題が解決したときと、母親との別れの場面にはうるっと来ました。
女性も気軽に入れる理容室を作るのになかなか苦労をしますが、この本を読んで理容室の可能性を見た感じがします。ウェディングのためのシェービング、小顔シェービングなどは理容室ならではのアイディア。確かにエステに行くより値段も良心的だし、いいなって思いました。
主人公キリは人生において仕事に重きを置くという結論をだしましたが、これからも前を向いて頑張っていける未来を想像してやまないです。